小さい生徒さんは、人生が始まって間もないため
ありとあらゆる経験が少ないです。
〈体験したことがない事は伝わりにくい〉ので
レッスンで気をつけていることの一つが
『その子にわかるかどうかを考えること』。
例えば、導入くらいの曲集に時々入っている
「チャイム」の曲。
大概の人がイメージするであろう学校のチャイムの音
キーンコーンカーンコーン・・・(ミードーレーソー)
「チャイムだ」と喜ぶのは小学生からで
小学生未満の生徒さんには通じません。
幼稚園・保育園の生徒さんは きょとんとしています。
そうだよねー、まだ聞いたことないよねえ。
逆に、未経験でも
なんとなく想像できないでもない
という事は、想像力を働かせてもらいます。
バーナムのテクニックの中で
「水泳」というタイトルになっている
右手・左手・右手 と、クロールを思わせるような
なめらかに動くフレーズの練習曲。
タイトル横には、腕を大きく回転させて泳いでいる
おなじみ棒人形のイラストが描かれています。
これを弾いてきたNちゃんが
どうにも勢いのない弾き方をしていたので
思わず「今どのくらい泳げるの?」と尋ねたところ
N「バタ足で6メートルくらい」(←手は前にのばしているだけ)
道理で、腕を回転させる勢いが出ないわけです…。
で
ピアノのレッスンなのに、クロールの腕の動きの練習。
水を腕全体でかいていくイメージをしてもらい
もう一度弾いてもらいました。
見違えるほど、なめらかに勢いのあるフレーズになって
レッスンしていた こちらがびっくり。
いつか、本当にクロールで泳げるようになった時
また演奏は変わるかな?