MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

笑顔で喧嘩できます

2007年12月07日 | 音楽教室
うちの教室の生徒さんの所有楽器は
ほとんどがアップライトピアノですが
たまに電子ピアノの生徒さんもいまして
演奏に独特の癖があるので わかります。

鍵盤を押し下げると
中のアクションが動いてハンマーが弦をたたく
本物のピアノに対し

電子楽器の鍵盤は
動きはバネで、音はセンサーの反応によるものですから
繊細な反応は期待できません。

f(フォルテ)の音を出そうとすると
 それが レガートだろうが 何だろうが
 必ず手をふって叩くように弾くとか
全体に 何だか音が薄くて、響かないとか
クレッシェンド・ディミヌエンドなどの表情が浅いとか

こういった 電子楽器でつきやすい癖を直すには
本人の努力だけでカバーするにしても
限界があります。

ですから
ちゃんとした楽器で練習していれば
もっと上達するだろうに、と 思う子には
「早く、本当のピアノを買ってもらいなさいね
と声をかけているのですが
『集合住宅や借家などの関係で、周囲に気をつかう』と
欲しくても置けない家庭が 結構あるようです。

先日も、電子ピアノでがんばっている子に
「ピアノは買ってもらえそう?」と尋ねたところ

「お母さんは 乗り気なんだけど
 お父さんが いいって言わない。
『コンクールで優勝したら買ってもいい』って言われたー」
という返事に、あきれかえりました。

楽器のハンデで行き詰まっている子に
楽器なしで上達して優勝しろとは
『買わない言い訳』にしたってひどすぎる。
と スタッフその他皆で大憤慨。

…今度お会いしたら、
きっちり お話ししないとね、と思いました。