テレビで「四十代が優遇される自動車保険」を宣伝していました。四十代でない私は呟きました。「二十代や六十代は冷遇される、ってこと?」。だって、どこかでバランスを取らないと、保険会社は潰れるでしょ?
【ただいま読書中】『中世の〈遊女〉 ──生業と身分』辻浩和 著、 京都大学学術出版、2017年、3800円(税別)
中世の〈遊女〉は3種類あるそうです。「9世紀後半から交通の要所に出現した、和歌や歌謡などの芸能で宴席に侍するほか、売買春にも従事した人たちで、11世紀以降、今様(流行歌)の歌い手としても有名になる」「11世紀頃遊女から分化した『傀儡子(くぐつ)』。曲調の違いで区別されたらしいが、特に東海道の宿に集住して旅人に一夜の宿を提供した」「12世紀後半に京周辺で出現した白拍子舞を得意とする白拍子。売春もするが基本的には芸能者扱い」。
学者によっては「巫女」を「遊女」に重ねる人もいます。たしかに、厳島神社の内侍が、後白河院の命で舞を舞ったり今様を歌ったり、平清盛の寵愛を受けて子を為した、なんて例もありましたっけ。
遊女が単なる売春婦ではなくて、遊芸を生業としていたということに私は面白さを感じますが、これは昔の日本で女性が職業を自分で選択して自立しようとしたらそれくらいしか選択肢がなかった、ということなのかもしれません。
本書では「売買春は絶対悪」という態度を採用していません。その時代にそれが常識だったら「その時代にそれは常識だった」とすることを話のスタートにしています。女性がそれを好んでいたかどうか、はその次に論じるべき問題なのでしょう。
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