【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おやすみなさい

2013-06-17 06:24:24 | Weblog

 寝るときのふつうのご挨拶です。皆が一斉に寝るときはよいのですが、自分だけが先に寝るときにこのことばを言うと、なんだかちょっと違和感が。やはり「お先に休ませていただきます」でしょうか? でもこれだとなんだか堅苦しいんですよねえ。

【ただいま読書中】『カマキリの雪予想('06年版ベスト・エッセイ集)』日本エッセイイスト・クラブ 編、文藝春秋、2006年、1619円(税別)

 60編のエッセイが収載されています。内容は様々でなかなかまとめて感想を述べることはできませんが、共通点は「まともな日本語の作品」であることでしょう。ネットでは「まっとうではない日本語」の“作品”が非常に目立ちますが、本書は少なくとも(出来不出来とか吹き嫌いの“凸凹”はあっても)文章そのものは安心して読めるものばかりです。「まともな日本語」が読めて安心する、というのは、ちと困った時代になったものだとは思いますが。
 私が特に感銘を受けたのはこの2篇です。
「江戸前の鰻重」(神崎照子)……子供時代の江戸前の鰻重の味が忘れられず、今住んでいる岡山では地理的に遠くなったために東京に出たときにその味を求めたらこんどは時間的に遠くなっていることを実感した、という内容です。しかしラストの「沈痛な面持ちの医師が子供たちの前に立つ。「残念ですが鰻重です」」には吹きだしてしまいました。本当に秀逸なエッセイです。
「藤沢さんの日の光」(井上ひさし)……藤沢周平さんとの交流が淡々と綴られていますが、藤沢さんの体験と井上さんの体験が重ね合わされ、さらに「ああ、このような小説の読み方もあったのか」という気づきももらえるというなかなか“豪華”なエッセイです。




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