日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

日本の粉ミルクで中国人が日本化する??

2009-12-30 | 中国の社会・文化・歴史等
 サーチナにこんな記事が。
【中国ブログ】日本製の粉ミルクのせい?「子どもが礼儀正しく」

 昨年のメラミン事件後、乳幼児の子どもを持つ中国人たちは中国製の粉ミルクを信用できないとして、日本メーカーの粉ミルクを争って買い求めた。なかには粉ミルクを買うためにわざわざ日本を訪れる人もいた。

 中国人ブロガーの白天〓さんが自らのブログに「また日本製の粉ミルクを買ってしまった」と題する文章を掲載している。ブロガーは、「民族的感情があるため、本来は日本製品は買いたくなかった」としながらも、毒ミルク事件の発生を受け、それ以来ずっと日本製品を使い続けていると語った。(〓は我へんに「鳥」)

  続けて、ブロガーの子どもは近ごろ、「ありがとう」と頻繁に言うようになり、おじぎをするようになったそうだが、これに対してブロガーは「日本メーカーの粉ミルクを飲み続けているせいで、日本人になってしまったのだろうか?」と冗談を綴った。http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1216&f=national_1216_021.shtml

 ははは。ですね。そうなると良いんですけど。

 まぁ、このブロガーの購入する日本の粉ミルクも、我々だけでなくタオバオで販売されているものなんでしょうね。外国産の粉ミルクはスーパー等でも販売されていますが、正規輸入の日本産はその倍くらいの価格になりますが、タオバオ上では他国のスーパーにおいているものよりは安く手に入ります。そういう意味では手軽に買える商品に既になっています。

 ミルクに関しては相変わらず需要は高いです(明治だけですが)。ベビーフード関連は急激にニーズが減ってしまったようです。最近は、香港のドラッグストアや、日本でも一旦香港から様々なベビー関連商品を中国に持ち込む人がいますので、かって日本の店頭や、ネットショップで購入していたニーズはかなり減ったんじゃないでしょうか?

 ミルク。明治さん以外のメーカーで中国で販売したいと言う企業があります。

 明治同様に粉ミルクを送って中国で製缶して販売する。それに伴い全うに広告宣伝を中国で行う。そういう努力をしないと駄目ですね。上海では和光堂やアイクレオの製品が百貨店で並んでいますので、若干のニーズはありますけど、まだ認知されていないですもの。

 まぁ、片手までこずかい稼ぎ程度ができればよいと言う考えなんでしょうから、それはそれでよいですけど。ミルクなんて社会背景考えれば日本より遥かに市場が大きく、やり方次第なんですけどね。欧米系のトップブランドは、がんがんにテレビ広告打っており、良くみかけます。でも日系は明治を含め見たこと無いな。明治が影でこれだけ売れていること自体が不思議ですが、それってやり方により大成功するポテンシャルのある分野と言うことですね。
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中国の政治って

2009-12-30 | 中国経済関連
 日経ビジネスの上場さんの記事に「次の中国トップは天皇陛下と会見した人?」というものがありました。

・今年の旧正月に、北京の中国中央テレビ(CCTV)の本社ビルが、花火が引火して火災にあったんですが、まだそのままで残っているそうです(知りませんでした)。建国60周年の今年の国慶節に向けて、4000億円も投資して北京市内の美化、整備を行っていたのに、こういう事態が生じた理由には、火災の責任に関して、国内政治の駆け引きが行われているからだそうです。

・先日来日して天皇陛下と会談した習近平副主席は、次の主席の最有力候補なんですが、それもまだ定かではない。先月、地方政府の省長、副省長クラスの人事異動が行われ、現胡錦寿主席につらなる中国共産主義青年団(共青団)出身の若手官僚が相次いで地方行政のトップの座を獲得している。いずれも40代の働き盛りである。

・一方、行政実務を指導する立場にある地方レベルの共産党書記のポストは、上述の習近平副主席の母体である太子党系列が押さえているとも言われる。

・江沢民前主席の母体である上海閥は地盤沈下が徐々に進んでいる。

それぞれの特徴として
太子党: 共産党創設期のメンバーの子弟。党や軍、行政、産業、金融に張り巡らせた血のネットワークにより、経済成長の果実を享受すると同時に、その運営にも実権を持っている。何よりも、軍に持つネットワークが強みである。しかし、比較的保守的。

共青団出身: 血縁関係を持たず、ひたすら努力を重ねて昇進を実現した人々である。能力、使命感、責任感いずれをとっても、党のめがねにかなったエリート集団とも言える。共青団は、利権ともまた縁が薄い。共青団が経営する傘下企業は、旅行会社と出版社それに若干のホテルに過ぎない。また、共青団は、政治改革に対する関心も高いといわれる。三農問題、環境問題、格差の問題を実務の現場を通して十分知っているためだろう。

 これらの問題に真っ向から取り組もうとすれば、政治面での改革は避けられないというのが彼らの認識だ。「隠れ民主派」も少なくないと言われるゆえんだ。地方政府のトップが共青団か太子党かで、政策の運営に大きな差が出る。

 最近広東省の共産党書記になった汪洋氏は、共青団出身だが、今年の輸出産業の減退も踏まえ、次の手として航空宇宙産業の誘致を始めた。土地の無償提供、400億円に及び省政府の補助金により、売上約10兆円の中国最大の航空機製造会社中航工業集団の進出が決まった。当然、部品メーカーなども誘致し、珠海を一大民用航空機産業基地にしようという計画だ。

 しかし、熟練労働力の不足等課題は多く、外資系の誘致も進めているが理念選考であり、危うい投資といえるかもしれない。汪洋氏自身のあせりも見える。

 江沢民の上海閥の凋落が著しいとはいえ、10年以上にわたって積み上げてきた利権や人脈は、そう簡単には崩せない。エリート集団である共青団も胡錦濤首席のもとで、じわじわと勢力を拡大しているが、それでも、産業界や金融界への食い込みは今一つといわれる。

 そうした中で、血脈で結びつき、党、軍、行政、産業、金融界にまんべんなくネットワークを張り巡らせている太子党のしぶとさと実力はピカ一である。文革時代に辛酸をなめたという強烈な体験もあるので地位の保全にも神経質だ。

 権力の座につくまでに10年、権力を握り、地盤を固めるのが任期中の10年、引退後も10年近く影響力を持つ。真ん中の10年をピークに緩やかな山を描くのが中国のこれまでの権力交替のサイクルだという。下降線をたどる上海閥、上昇曲線をたどる共青団、そして高原状態にある太子党。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20091224/211853/?P=1

 日本人である私にとって、中国で誰が政権を取ろうが正直関係ないのですが、ビジネスを行う立場ではこの辺も大きな影響が出るのでしょう(主に大企業であしょうが)。

 個人的に一番気になるのが、もはや中国国内国外で誰もが認識している、現在の中国の不動産バブルを何時、どういう形で沈静化させるのか。CCTVがそのまま残されているのは知らなかったのですが、お膝元の北京の代表的な建築物に関して面子を気にする中国人がそのまま放置していたというのは、上場さんのおっしゃる様に政治の力学が働いているのでしょう。

 そして、今年の経済政策で無謀な貸し出しの増加とそれに伴う不動産価格の高騰をなんだかんだ言いながら放置しているのも、政治の影響なのでしょう。

 まぁ実態は良く知りませんが、共産党青年団が権力握っているのが一番好ましいようにも思うんですけどね。日本を見ていると、なんだかんだ行っても官僚出身者が首相を務めていた時代の方が良かったように思います(経済のステージが違いますけど)。2代目3代目の議員さんが増えてくると、結局彼らの利権やしがらみで経済合理性にかける政策運営になるように感じるんですよね。人材も鍛えられていないでしょうし。
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