日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国労働契約法を避けるには?

2010-01-29 | 中国の社会・文化・歴史等
 一昨年に中国でも新労働法というのが制定されて、日系企業向けに法律や人事の顧問サービスを提供している会社には特需になっていました。従前に比べてかなり労働者よりになっているので、外資系企業は日系に留まらず戦々恐々としていたんですね。労働問題や仲裁等も急増したといわれています。

 でも、法律施工後2年もったっているのに、実際には3分の1の労働者しか労働契約が結ばれていない事が解ってしまった。北京の法律事務所の、15省581人の労働者に対するインタビューで明らかになったようですね。まぁ、法律施行前の2005-2007年には12.5%。施行後の2008年1月、昨年6月の調査では20%だったそうですから、少しは改善したということですが。

 特に中小企業は法の穴を旨くついているそうですが、それはおいといて。人民大会議の調査委員会では、93%の大企業が移民工に労働契約を結んだと発表していますが、移民工を雇う中小企業が法を守らなきゃ意味無いだろ!って非難が出ているんですね。

 法律上は、12月以内に労働契約を結ばない社長は、給与の倍額支払いが定められているんですけど、結局実行されていないみたいです。当然労働者は健康保険や労災保険にも加入していない。残業代もまともに出ていない。

 半分以上の労働者は8時間以上の労働を強いられ、93%が残業代をもらっていない。

 なんと。先月カルフールが営業マンから労働契約を結ぶように訴えられたそうですが、第三者との契約があるために、カルフールは責任を逃れたそうですhttp://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2af62ecb329d3d7733492d9253a0a0a0/?vgnextoid=16e05409f8156210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&ss=China&s=News

 先日ダイヤモンド誌掲載の、中国労働法云々、という記事を引用してコメントしていますが、http://blog.goo.ne.jp/muchida3527/e/4df816746a95e52481281fccd3eba2ec

 なんでえ、派遣会社か何かを使えば労働法の適用は逃げれるって事か。中国では以前は外国企業は従業員を直接雇用できず(今でも駐在員事務所はそうかもしれませんね)、FESCOとか中智という派遣会社がで雇用して企業に派遣してもらっている形態があります。新労働法では、確かこれらの派遣会社を使っても実際の雇用者側に雇用責任が及ぶ、と理解していたんですが、それが間違っていたのか。もしくは、アウトソーシング企業を使えば良いのか。少なくとも後者の場合雇用に関わるトラブルは後者の企業にかかってくるのじゃないでしょうか?

 ちゅうことは、地方政府の労働部門に顔が聞く中国個人経営企業とかで人を雇用させて、そこに対して外注契約をすれば、雇用責任は逃れられるのか?カルフールの判例と、管轄省を調べる必要がありますが、もしかしたら逃げ道として使えますね。

 でもね。移民工だけじゃないですよ。タオバオが80万人の雇用を生み出したといわれています。顧客対応とか発送業務とかですね。今の所誰も雇用契約なんて結んでいないぞ。でも、タオバオだけじゃないぞ。世の中小企業や店舗の店員、レストランの従業員。みんな同じだよん。

 よくは無いけどね。そのコスト売値に反映したら中国企業と同じ土俵の競争はできないんですよね。頭いた。。
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