日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国の貧富の差 上海のサラリ-マン

2006-08-18 | 中国の社会・文化・歴史等
 中国で所得格差を述べる場合、主に共産党幹部と農民の格差が引用される事例を多く見ます。確かに、中国はコネ社会であり、政府・共産党の力が非常に強い為、色々な許認可にからんで大きなお金が動き、太子党は言うまでも無く、中央、地方共に党幹部の方や政府の方は表に出ない巨額のお金を手にすることが多いと思います。唯、当然そういうものは統計数字には出てきません。 

 さて、米系のHewitt Associatesという人事コンサル会社が、米国及び欧州の9つの商工会議所と提携して毎年給与調査を行っています。昨年のものですのでいささか古いのですが、デ-タを買って分析したところ以下のような概要でした。中国人の現地採用社員(本社採用除く)の給与水準を総経理から工人まで調べているのですが、中国人の幹部社員の給与はおおむね以下の通りです。
 中国の場合、給与の見せ方が手取表示が多いのですが、以下は日本でいう額面総額年収(社会保険、所得税個人負担分含む)に置き換えています。

総経理 9.7百万円~15百万円
CFO 9百万円~11百万円
本部長クラス 5百万円から7百万円
部長クラス  3百万円~4百万円
課長クラス 2百万円~3百万円
主任クラス 1百万円~1.5百万円
ワ-カ-   30万円から50万円

 上海の給与は、工人の下位25%&は、欧米系は年収217,700円、総経理の上位75%が15,343,370円という事で、70倍になります。尚、217,700円を月手取り金額にすると1,060元になり、上海市の最低賃金(2005年690元)と上位70%との比較をすると100倍になります。中国という括りをすれば、最低賃金が270元のところもあり、サラリ-マンの給与格差が400倍近くある事になります。
 
 日本の場合ソニ-の出井社長が年収は3億円程度と新聞で見たことがあり、一部上場企業とはいえ結構貰っているなぁという記憶があります。その場合でも新入社員の100倍に満たないのではないでしょうか。一般的に企業家で無い限り、一部上場企業の社長の年収は5-6千万円だと思います。日本の工員さんの初任給と比べて何倍でしょうか?
 付け加えるなら、日本でも古い企業はそうですが、中国の場合、昼食代、交通費等を全て会社が負担するほか、有る程度以上の幹部の方には会社が自動車を貸与する事例も一般的です。

 サラリ-マンということに関して言えば、文化大革命世代が教育の問題で殆ど管理職以上にはいない、つまり年齢的には40歳以下、もしくは35歳以下が各外資系企業の中堅層以上を占めており、総合的な視野を持った管理職は殆どいない、優秀な方は自分の会社を作ってしまうか、政府へ転職する事を希望するという背景を考えると、ワ-カ-を除けば、能力に比べ結構高い給料を貰っている、というのが率直なところではないでしょうか。
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