
これは、奄美大島に住んでいる人は必ず目にしている国道沿いの大きい看板。
地元の人には申し訳ないが、ここを通るたび私はなんともいえない居心地の悪さというか、気恥ずかしさを感じている。
日本一大きい選挙区、鹿児島2区。ここは小泉旋風もどこふく風で、この秋の衆院選も初めて立候補した政治家Jr.(郵政民営化反対派)が地盤を堅守。世襲がすべて悪いってわけではないがー。今回、民営化の反対派にはあれほど逆風が吹いた中、初の立候補でも当選したことに感心してしまった。
先日、地元の人と話をする機会があった。他愛のない世間話が、話題は巡り巡って選挙の話、そして買収の話になった。他の人も一緒だったとはいえ、初対面の私に平気でこういう話をしてくるところがすごい。「世間話」程度の認識なのかなぁ。
奄美では、9月の衆議院選挙がらみでも買収で捕まった人がいたが、やはりこの手の選挙違反は未だに水面下にあるらしい。
それにしても不思議なのは、お金をもらって投票するときに本当に律儀にその人に投票するのか?ということだ。だって、誰に投票してもわからなそう...あっちの候補者からも、こっちの候補者からもお金もらったりして(^^;)
が、前に読んだ本では、例えば誰か最初の人が、1票を投じたふりをして白票をうまく持ち帰り、その白票に候補者の名前を書く。次の人は、予め名前の書かれたその投票用紙を持って入場して、新しくもらった投票用紙とすりかえて、またその白票を持って外へ出る...というやり方があるそうだ!
なるほど~!!
と感心している場合ではない。
しかしこれだと、すり替えるのを見られたら大変だし、待機する人の待つ場所などの問題もあり、そうそう簡単にできるものではないだろう。
そう思って、ちょうど買収の話も出たことだし、予てからの疑問を思い切って尋ねてみた。
「お金もらって、他の人に投票するってことはないのですか?」
答えはもちろんノー。
「でも、誰に投票してもわからないのでは?」という質問に対しては、
「お金もらった時は、いつも不在者投票させられる。」とのことだった。
「不在者投票したら、すぐ箱を開けて確認するんですか??」という質問には、さすがに買収「主催者」でないその人は、「わからないけど、お金をもらうときは、必ず不在者投票なのよ~。」ですと!
私も何度か不在者投票をしたことがある。確かにあれだと人もまばらで、箱を開ければ誰の票かはすぐわかりそう。
不在者投票後の票の扱いは知らないが、あれはその日ごとに出して厳封するのだろうか。それとも、不在者投票期間中のものをまとめて、あとで開けるのかな。
...ああでも、ということは、選挙管理人もグル??
それとも、あのがらーんとした投票所で、「この後開けてしまえば、あなたが誰に投票したかわかるのよ~フフフ」という雰囲気が大切なのか?
わからないわぁ~
・・・・・・
そんな話を聞くと、この看板がますます空々しく思えてくる。
私に話してくれた人、「警察も厳しくて『最近は』自分はしていない」と、言っていた。(私が根掘り葉掘り聞くので付け加えたのかしら?)でも、買収についてあっけらかんと珍しい話でもないふうに話していた。
奄美に限らず地方では、まだまだこういうことはなくなっていないのだろう。
まだ「奄美から変えよう」と雄大な構想を掲げている場合ではない。
まずは、「奄美から変わろう」じゃないと!
(決意だけにして、看板は無しにしてほしいなぁ...景観が台無し)