昨日、龍郷町「自然観察の森」の「ドラゴントリデ」からの眺め。
晴れたらもっと素晴らしいが、昨日のようなどんよりした日でも、やはりここからの眺めはとても良い。
今週は、鹿児島から夫の両親が来ている。
引越の手伝いで来て以来、ほぼ2年ぶりの奄美。前回は引越に追われただけだったので、今回初めてゆっくりとした時間を過ごしている。
昨日は、小学校は卒業式で、低学年は休みだったので丸1日フリー。子供達に「どこを案内しようか?」と尋ねた時に、まっさきに「自然観察の森!」と言ってきた。奄美に来て最初の1年は海一辺倒だったのだが、昨年この観察の森や金作原(きんさくばる)、そして今年に入り湯湾岳にも行って、すっかり奄美の森にも魅せられている子供達。祖父母達にも自慢の奄美の森を見せたかったようだ。
昨日は時折小雨もぱらつく天気だったのだが、観察の森は木に覆われている中なので、少しの雨なら葉っぱが傘になってくれる。
春、この季節。鳥達の声があちこちから響いている。特にアカヒゲの澄んだ声は、我々人間が近くまでいることにもおかまいなしにスピーカーからテープを流しているかのように大きく美しく響き渡っている。
そんな中、本日のお目当てはやはりルリカケス。登っていくと、途中でギャーギャー、ギャーギャー、間違いなくその声がする。
いたいた、いました!あっちにも、こっちにも。
義父は、仕事柄、鹿児島県内をあちこち転勤してきたのだが、自然の中にいるルリカケスを見たのは初めてだと感激しきり。鹿児島の県鳥ということで、名前だけは有名なルリカケスだが、実際に目にしたことのある鹿児島県人は意外に少ない。「あんなに大きいとは思わなかった。」「いい土産話ができた。」かなり興奮するおじいちゃんの姿に娘達も誇らし気。
まだカメラに収めたことのないルリカケスだったので、張り切っていた私だが、途中から「抱っこ抱っこ」とせがむ総重量0.014トンの生き物を抱えていたため、カメラを取り出すことができず。もっとも逆光で写真を撮るのも難しそうだったけれど...
と、思っていたら、長女が1枚、わずかにその姿を収めていた。
ぼけぼけにぼけてるけれど、確かにルリカケスの色がわかる。
初ルリカケス撮影成功の栄誉を持っていかれてしまった(^^;
ルリカケスを堪能した後、うっそうとした森の中から急に開けたドラゴントリデからの眺めにもまた、義父母とも「まさかこんな眺めが見られるとは!」と驚いていた。やっぱり自然観察の森に来たら、この眺めは必見だ。
森の中、石を抱くシマタゴの木にも驚き。
「シマタゴ、もくせい科」なんてもちろん名前は知らなかったが、ちゃんと札がついているのでありがたい。
「う~ん、これはすごい!!まるでこの根っ子がタコの足みたいだ。シマダコみたいだもんな。はぁ~それでシマタゴっていうのかもしれんな。うん、きっとそうだ...」
と、ひとり納得の義父。
んーー、お義父さん?!なんか、「゛」の位置が違うような...?!そうなのかな?
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...というわけで語源好きの血が騒ぎ、ちと調べてみた。蛇足コーナー。
タゴというのは、「田子」と書いて、田んぼの「はざ木」というものだそうだ。(→
参考)はざ木は
こんな。稲を干すためのもの。で、このはざ木を作るのに、田んぼの畦によく植えられていたのが「
トネリコ」という木。(なので、田子=トネリコともなる)
シマにあるトネリコ種ということでシマタゴ、という意味が最もありえそうな...いかがでしょう。
蛇足ついでに、観察の森の札には「シマタゴ、方言名:オーヤギ」となっているのですが、奄美方言データベースによればシマタゴは「
ジンゲぃ」で、シマウリカエデの方がオーヤギ(
オーヤゲぃ)になっていました。
方言は場所によっても違うのでしょうし、難しい~