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Discover 奄美大島!

ハンダマは、「与論じゃパンダマ」から

2010-08-15 11:32:52 | 名前・地名・語源
Hanadama_2前に、ハンダマの挿し木が容易にできる記事を書きましたが、その後我が家の根つきハンダマ君は、パックされたハンダマ一把とともに、宅急便で埼玉の秩父に送られました。

なぜ秩父に?!
秩父には、カフェあまんゆさんがあります。
このカフェは、「奄美の島々の楽しみ方」や「ムンユスィ」などの著者、山川さらさんが今年オープンされたと~っても奄美なカフェ。私はまだ行ったことないけれど、とっても素敵なカフェに間違いなしのところなので、今から帰省時の訪問を楽しみにしていくところ。

そんな我が家のハンダマは、クールでもない通常の宅急便で数日かけて秩父に送られたというのにもかからわらず、元気に到着し、あちらで「つよし君」という名前もいただいて、かわいがってもらってます。

そんなさらさんの「与論じゃパンダマ」というエントリー。奄美では「ハンダマ」と言われている水前寺菜、与論島では「パンダマ」なんですね。
久々に検索心が刺激されて、色々見てみました。

こちらのサイトによれば、喜界島では「ファンタマー」です。

で、こちらでは、沖永良部では別名「ヌブシサギ」とありました。ヌブシ=のぼせ、サギ=下げ で、つまりは血圧を下げるってことなんですね。

そして、そんな水前寺草、金時草とも言われるハンダマの呼び名をまとめたサイトがありました。
金時草の呼び名と由来

沖縄県の中に奄美大島・奄美諸島が入っていたりしますし、アリガトウの方言も奄美のところはホントかなぁという部分もあるので、どこまで正しいのかちょっとギモンなところもありますが、面白いですね。

ハンダマの由来というのも、シロダモににている赤い葉っぱなので紅(フォン)のダモ、ハンダモ⇒ハンダマ っていうのもなるほど~って。なんで丸くもないのに「ダマ」っていうか、ちょっと不思議だたんですよね~

鹿児島県のホームページのこちらには、ハンダマの語源は春玉だろう、と書かれています。
県のHPで「ハンダマ」だから、鹿児島全般はやはりハンダマが主流なんでしょうが、このハンダマ←ハルタマ 説ってどうかしら。
ハルタマ(春玉)のほうが、ファンダモからの訛りのような気がしますけど... (気がするだけです^^;)

それにしても、方言名というのはもはや風前の灯ですね。人の行き来もあまりに激しく、テレビなどのメディアでどんどん統一され、もともと地元にお住まいのお年寄り調査っていうのを急いでやらないと、もうわからなくなってしまう気がします。

ハンダマについても、上記リンクしたところ以外はあまり見つけられなくて、既に喜界島のファンタマも廃れ、文化的には与論寄りの沖永良部でも「ハンダマ」になっているのではないでしょうか。
ご存知でしたら、コメント欄にぜひ。

前に、にがうりの奄美での方言名について書いたことがありましたが、最近じゃ、奄美でも若い人は地元の人でも「ゴーヤ」というし、もうすぐ全国「ゴーヤ」で統一されそうな勢いですしね~



さて、トップ画像は最近茎だけ挿しておいたハンダマです。短い茎だけなのに、この生命力!
秩父地方でのハンダマの呼び名は、そのうち「つよし君」になるかもしれません

****************************>

※パソコンを新しくしました。只今色々設定中。
古いパソコンからのエントリーはこれが最後になります。
ここ2-3日、メールの返信やコメントバックが遅れたらすみません。



語源探索は果て無し

2009-09-14 11:30:44 | 名前・地名・語源
P9140253我が家の自転車のキーホルダー、ゴーヤーマン。

思えば、彼がゴーヤー伝道師だったんではないでしょうか。
NHKのちゅらさん。2001年放映ということは、もう8年も経ったんですねー。これで一気にゴーヤという名前と野菜そのものが全国区になった気がします。

さて、ニガウリの呼び名について、一つ前の記事のコメント欄で、S54年発刊の「琉球列島 植物方言集」の内容を教えていただきました。S54年といえば1979年、ちょうど30年前です。30年前の時点で、奄美の多くの地域で「ニガウリ」の訛った形で呼ばれていたので、他のは淘汰されてしまったんでしょうね~

それから、一つ前の記事のトラックバック、mizumaさんの記事の中で取り上げられているかぼちゃの呼び名「トッツブル」の語源。mizumaさんが唐の瓜(トオウリ→トゥヴリ→トッツブリ)?、とおっしゃってますが、私も全く同感です。
で、前にそのことを書いた記事を今読み直してみたら、自分でも読むのがイヤになるくらい長くてまどろっこし~。

南島雑話にかぼちゃの奄美名が「トウツブル」と「ボウブラ」、二つあるので、形によって区別されたのではないかーという考察だったんですけど、あの時は「唐の瓜」→「トウツブル」の流れを、「ツブル」は奄美で頭の意味だというので、どっちかはっきりわからないけどーという結論に達したのでした。(でも、唐の瓜と思います、私は!)

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ニガウリと、トッツブルについてのお話は、ここらで幕引きにするとして、こういうのを調べると、どんどん横道にそれて楽しいです。(え?違う?)

上にリンクした「まどろっこしい」記事にも書きましたが、古語の「つ」には格助詞の役割があって、有名どころが「まつげ」の「つ」。(目の毛→まつげ)

他に、今でも残っている「つ」はないかなーと探してみたら、「きけ わだつみのこえ」とか、元ちとせさんの歌う「ワダツミの木」にもあるワダツミ。神話に出てくるワタツミという神様なんですが、これ、ワタ+ツ+ミ に分解できるんですね。ワタは古語で海、ツは前述の格助詞「の」、ミは「神霊」です。
(→Wikipediaにもありました)

あとは、一昨日。おとといと言いますが、元はおとつい←ヲトツヒ。(今も「おとつい」って言う人いますよね!)
古語辞典を引くと、「をと」=彼方ですから、「彼方の日」と言う意味。
宇崎竜童も「ちょっと前なら覚えちゃいるが、1年前だとちとわからねぇなぁ。」と歌ってましたが、2日前が彼方なんですから、仕方ありません。

そんなわけで、語源がどーしたと言われたらそれまでなんですが、楽しいです。そして、インターネットで自分でも調べられるし、コメントでも教えてもらえることもありがたいです。

ムンヌシリハテヤネン。
大好きな奄美のことわざ。


にがうり、奄美での方言名は?

2009-09-12 01:24:48 | 名前・地名・語源
Photo
(写真は、今夜のうちのおかず...じゃなくて、フリー素材屋Hoshinoさんから借りてきました

2週間もサボってしまいました。
この間、何をしていたかというと、9月に入り子ども達の学校や幼稚園が始まって、うかれすぎて(?!)ブログを書く気分になれず。いえいえ、疲れて子どもと一緒に早寝が多かったかな。
とにかく、一度間を空けてしまうとダメですねー。

奄美で迎えた5回目の夏休みは、今までの夏休みの中で一番遊びほうけてしまいました。
まだブログに書いてないネタもいっぱいあったのですが、やっぱり感動したその時でないと、なかなか書く気になれなくてー。

そんなわけで、ずいぶん間が空いたもののまだ我が家は今のところ新型インフルエンザの襲撃にも会わず、相変わらず元気にやっています。



さて、本日の話題は久々に語源。長いです。リンク貼りまくり。備忘録。

「奄美でゴーヤ(ー)をなんと呼ぶのかな?」という私のTwitterでのつぶやきに、mizumaさんが真摯に応え色々調べて下さっているのですが、あまり人任せにしっぱなしでちょっと良心が痛んできたので、久々に自分でもググってみました。
そもそものお題は、にがうりは奄美でなんと呼ばれているか?

なぜそんなことを思ったかというと、奄美ではカボチャは「とっつぶる」、冬瓜は「しぶり」など、瓜系の野菜には標準語とは全く違う呼び名を持っているものがあるので、にがうりはどうかしら?と思ったわけで。

●ちなみに、にがうりの和名は蔓茘枝(ツルレイシ)
これはフルーツの茘枝(レイシ、「ライチ」の方が一般的ですよね?)みたいに、ゴツゴツした外観から。

なるほど、鹿児島で「レイシ」と書かれて売られているのをよく見かけたのはのは、ツルレイシの「蔓」を取っちゃったんですね。

●沖縄の「ゴーヤ」「ゴーヤー」の語源は、中国語で「苦瓜」は「クー グア」、「苦瓜叶」「苦瓜葉」が「クー グア イエ」と発音するので、これらの変化から... というのがゴーヤ大好きというHPに載っています。

また、
鹿児島では「レイシ」と書かれているのは見かけたものの、会話では「ニガゴイ」の方が一般的だったような気がします。

鹿児島での「ニガゴイ」の「ゴイ」って何?と以前から不思議だったのですが、こちらに答えがありました。
「苦胡瓜(ニガキュウリ」→「ニガゴウリ」→「ニガゴーイ」なんですね。ゴイはキュウリだったのか~。確かに「ニガゴリ」も聞いたことがありました。「ニガゴイ」「ニガゴリ」は鹿児島に限らず、熊本や宮崎あたりも似たような感じのようです。



さてさて、本題の奄美です。「ゴーヤ」はやっぱり沖縄名であって、奄美ではそう呼ばないようです。
もぱぴさんも、古仁屋のご実家に「ゴーヤ」と言っても通じなくて、「にがうり」だったら通じた、とおっしゃってました。
(そういや、あの時も調べかけて、すぐやめちゃったんだったわ。すっかり忘れてました。)

でも、にがうりは島の方言ではないでしょうし... 「トッツブル」とか「シブリ」の系統から離れていると思い、方言データベースを見たら、ありました!

ツルレイシは、『とーグリ』 詳しくは、こちら

これを見つけてかなり感動!最初、ニガウリで引いていたので見つからなかったけど、和名がツルレイシとわかったので、そっちでやったらヒットしました!

こちらのページに、奄美では「トーグリ」「トフゴリ」と呼ばれるというのも発見!この記事の中の「亡くなった胤森さん」というのは胤森弘さんという広島の方言研究家で、沖縄奄美地方の方言にも大変詳しい方だったようですね。

もう、この辺りから、色んな記事にどんどん飛んで、私の夜は更けていく...



そうだ!方言名といえば、佐源太さんだ!

南島雑話も見てみました。
「レイシ」を発見!しかし、「子(み)、秋より冬に至り熟す。色紫、核(たね)多く、子(み)は村童喰ふ。味あまし。」ということで、これは果物のライチだわ。

しかし、野菜の項にありましたただ名前を羅列してあるところですが(南島雑話2 P.171)
「錦茘支」と書いて「ニガウリ」と振り仮名があり、下に「トフゴリ」。
やっぱりトーゴリなんですねー。しかもすぐ近くにトフツフロ(南瓜)と冬瓜(シブウリ・トフグハ)なんかもあり。さすが佐源太さん。でも佐源太さん、レイシみたいにどんなものかとか料理法とか解説してくれたらよかったのにー。

さてさて。
トー、トウとくれば「唐」とすぐ思っちゃうんですが(唐胡瓜→トウゴリ)、違うかな。前にもそんなゴタクを並べてやたら長々書いた時がありました。どうやら私は瓜の語源が気になる体質らしいです。(→



トーゴリとかトフゴリで検索しても、何も出てきません。
mizumaさんが、島の年配の方にヒヤリングして下さったところ、「ニガグリ」だそうです。(先にリンクした方言データベースにも、ニガグリは載ってましたね。)

ところで、奄美はすもものことを「イグリ」って言うんですよね?スモモもモモも、モモのうちじゃなくて、瓜のうち???イグリのグリとニガグリのグリは違うのかしら。
語源って難しい~



「グリ」の部分は生き残ったけど、「トーグリ」「トーゴリ」は今は島じゃ死語なのでしょうか。

シブリとかトッツブルは生きているのに...。
不思議だー。

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【追記】
死語かと思ったら、見つけました!

庭職人 津里のページ というHPの中の「標準樹木名と別名・方言などの対応表」で、「レ」をクリックしたら出てくるExcelの表です。
レイシの別名:コガゴイ(鹿児島)  
         デンシ(奈良)
       トーゴーリ(長崎)
        トーゴリ(宮崎)
        トゴイ(鹿児島)
        ニガゴーリ(福岡)
        ヘーウリ(山梨)
        ベースケ(徳島)

奄美ではないけれど、九州の一部でトーゴリっぽいのが...

ふぅ。疲れた。よけいわかんなくなった...



もうすぐサクランボ

2009-02-13 03:12:58 | 名前・地名・語源
~フンチャ峠にて~

P2110036

建国記念の日、久々に家族一同行事も無かったので、本茶峠のヒカンザクラを見に行ったが、すでに盛りは過ぎていて、サクランボもつき始めていた。
P2110031

この峠の見ごろは、「第1回桜マラソン」の行われた2月1日(日)の頃で、それから10日も経ったこの日は、峠の大半の桜は葉桜になっていたが、龍郷側はまだ盛りのものもちらほら。
ソメイヨシノと違って、遅咲き・早咲き、かなり時間に差があり、長く咲いているのがこの花の良いところ。

P2110043

P2110016

ぽかぽか陽気で外でお弁当を食べるのにもってこい。
峠のあちこちに、テーブルとイスがあるのが嬉しい。

P2110025

ん?短冊が。

P2110014「キョラサ」は、「きれいだなぁ」と訳せば良いでしょうか?
「ワキャ」は私、「肝」は心ですね。

青空の下で家族でお弁当を食べ、ホント心「キョラサ~」。



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ところで、地元紙に「本茶峠」は「ンチャ峠」と読むか、「ンチャ峠」と読むかという記事がありました。
地元の人は圧倒的に「フンチャ」。
でも、我々転勤族はほとんどが「ホンチャ」と漢字をそのまま読んでしまいます。記事を読むと、シマッチュの中にも最近は「ホンチャ」派もいるとのこと。

奄美は、もともとあった地名に後から漢字を当てられ、例えば「デ(ー)クマ」であったところが「大熊」、「アショ」が「芦徳」と書かれるため、今ではそれぞれ「だいくま」「あしとく」と呼ばれています。
古くからそこにいる人には、いちいち「違う違う!」と言いたくなることでしょうね...

でも、「金作原」は大抵の人が、ちゃんと「きんさくばる」と読みます。これは、耳にすることの多い観光地となっている上、ガイドブックなどにもちゃんと「きんさくばる」と読み方が書いてあることや、九州や沖縄の地名でも「原」を「ばる」と読むことが多いのが知られているからでしょうか。

昔ながらの地名を守るには、地元紙と地元ラジオの出番だと思います。
ラジオはもちろん、その読み方で。デクマ、と言っちゃえば、「デクマ」が復活するのでは?
「小湊」などは、その通り読む地名といえども、厳密には「コミナト」でなく、「ク(←これもカキクケコのクというよりコとウをいっぺんに発音した音に近いらしいですが)ミナトゥ」というような発音らしいので、どこまでもとの地名に近づけるかは、難しい問題だと思いますが... これは、昔の日本語と今の日本語の発音が少しずつ変化しているのと同様、復活はかなり厳しいかな。

地元紙は、地元の人には当たり前と思われている地名でも、ふりがなをふってくれたら...
いかがでしょう。







サザンカ、サザンカ、咲いた道~♪

2007-11-20 10:00:46 | 名前・地名・語源
Sazanka4

久々の奄美の野山の話題。

昨日は、ちょっとお天気が怪しいなと思いつつ、tokorinさんと自然観察の森にヤッコソウを見に行った。
到着すると、小雨は降り出すわ、ヤッコソウはまだ開ききっていないわですぐ退散したものの、ラッキーなことにそこでツアーガイドアマミアンさん(=きさん)にお会いして...。

サザンカを案内してあげるよ!

うひょー♪ありがとうございます。
Sazanka1

奄美には、サザンカが自生している。

サザンカといえば、タイトルにもなった歌でおなじみだが、私はそれこそ垣根として植えられているようなものしか見たことがなかった。イメージも、赤かピンク。

ところが、野生のサザンカは純白でとても清楚な感じ。

Sazanka2

「横からも撮ってみたら」

は~い。

Sazanka3

青空背景だったら、もっと良かったんでしょうけど...

このサザンカ、漢字で書くと「山茶花」。
さんさかと書いてさざんかと読むのは中国語でいうサンサクヮの転じたもの(『広辞苑』)だそうだ。
ところが、中国語では、山茶はツバキ一般を指す言葉だそうで。(Wikipedia)

で、中国語で椿と書くと、これはツバキ科の植物ではなく、チャンチン(香椿)というセンダン科の植物を指すそうな。
なんともややこしい話である。

じゃあ、中国語でサザンカはどういうかと調べてみると、茶梅。

え、っと山茶花はツバキで椿はチャンチンでサザンカは茶梅で...

表にまとめると、こんな感じ...

Photo

日本語の椿の語源は、諸説あって、朝鮮語の冬柏(ツンバク)が転じたとか、その葉っぱの形状から、艶葉木(ツヤバキ)とか厚葉木(アツバキ)、強葉木(ツヨハキ)...

「椿の語源」と検索するだけで、面白いページがたくさん出てきてしまい...
昨日のうちにブログもアップしようと思っていたのに、つい読みふけってしまった(^^;

*****************************

おやおや、サザンカの話だったのに。

サザンカの原産は日本だそうで(知らなかった!)、日本からヨーロッパに伝わり、英語でもsasanqua。

山茶花、サンサカが転じてサザンカになるなら、「アキバ」と呼ばれるようになって久しい東京の電気街・秋葉原ももう少ししたら「アキハラ」で定着かなー。

Pb1900992_3

なんて下らないことを考えて、昨晩、画像処理をしながら、まじまじとこのおしべの部分を見ていると、疲れが出てきたのか、こんなふうに見えてきた。

Ws000014

で、寝ました~ 




モダマ!

2007-11-02 10:46:03 | 名前・地名・語源
~ あった!でかっ! ~

Modama_14

お騒がせしていた(?)モダマ。

無事発見することができた!
ご協力いただきました皆様、ありがとうございます。
あちこちのブログに書かれてあった通り、たくさんあった。

ばんざーい。
この感動は、初アカショウビン以来か?!

Modama_1

これがどのくらい大きい豆か、ということを伝えられないのがもどかしい。サヤは手に取れる場所ではないので、正確な大きさはわからないのだが、1m近くかしらん。
鳥か蝶か、何か比較できるものがあればよかったのだが...

たぶん、一部を実物大にすると、こんな感じ↓

Modama_14a

どーん! (引き伸ばしたのでぼやけている...)
いや、もっと大きいかも?

まだ当分楽しめそうとのこと。みんなで大切にして、多くの人が見られますように!

Modama_12

長男はこの大きさの価値がわかっていないので、つまらない。でも今回は、次女も一緒だったので、「わー大きい!」と喜んでくれて連れて来た甲斐があった。(でも、すぐに足元のどんぐりの方に気をとられていたけれど)
今度は長女にも見せてやらなくちゃ。(あ、夫にも...)

**************************************************************

このモダマ、熱帯・亜熱帯性の植物で、東南アジア原産。種は流れ流れて、太平洋側はもちろん日本海側、新潟まで漂流が確認されているそうだ。
(→このページの一番下)

モダマ、という名前は「藻玉」。
遠い海から流れ着く間に色々なものが付着して、藻の一種と思われ、磨くと玉のように見えたので、名付けられたそうだ。(→こちらより)

住用の、このモダマのそばには川があるが、海からはそんなに近くはない。昔の海岸線がこの付近だったのかな~。

どんな旅をして、ここにたどり着いたのか。初めて流れ着いてから、今あるモダマは何代目なのか。
偶然がいくつ重なって、私が今、目にすることができているだろう。

モダマ、何もかもがすごいやつ!


キノボリトカゲ 島口語源編

2007-11-01 13:01:33 | 名前・地名・語源
Rurubu_21

いきなりアップにしてしまい...
苦手な方、すみません!

金作原にいた、「オキナワキノボリトカゲ」(奄美にいても)。

島の方言で、

   ティンマブリャー
   コショマヤ 
   クショクリャ・クシュクヤ

と、いうのがあると前に教えていただいた。
他に、クシュカミャ(←これは検索で一言触れられていたのを発見)

(地域については、ティンマブリャーが北部、コショマヤが南部、クショクリャ・クシュクヤは加計呂麻かと思うものの、てふてふさんのブログでは、安木屋場=龍郷町でもコショマヤというのを発見)

その語源についても話題になったのだが、コメント欄でのやりとりが多く、コショマヤについては『何でもありさん』のブログの、これまたコメント欄だったので、ここにまとめておきたい。
今回は、全部色々な方からの受け売りで、自分で調べたものではありません(^^;

ティンマブリャー・ティンマブリャ
『天(ティン)を・眺める(マブル)・者』
 
というわけで、このトカゲがよく体を反らせて空を見上げるような体勢になるため、ついた名前。

奄美方言データベースにもありました。

※追記:南島雑話には漢字で「天摩武羅」とあるそうです。コメント欄(by ほーげっちゅさん)より。

Img_0622

←語源となった天を仰いでいるポーズ。

(在庫からはボケた写真しか見つからず ^^;
そのうちいいのが撮れたら差し替えましょう)

コショマヤ・コショマヤー

「コショ」の部分は胡椒。 

マヤについては、方言でマヤ=猫なのですが、「マヤマヤする」でうろちょろする、という意味があるそうで、語源はこの辺りでしょうか。
島では、このトカゲの口にコショウを突っ込んで遊ぶことがよくあったそうで...(^^;
それでフラフラしている状態でしょうか。

他に、「木に登る猫(マャー)みたいだからかな?」説あり。


●クショキリャ・クシュクヤ

クショ(クシュ)=胡椒 
キリャ・クヤ=食らう者

というわけで、こちらも胡椒がらみ。胡椒を食らう、といっても、キノボリトカゲが自ら食すわけではなく、コショマヤ同様口に突っ込まれたものと思われます。(なんてお気の毒...)


●クショカミャ

これも上記同様、胡椒+かむ者 でしょうかね~?


※追記↓
●ヤド・ヤゾなどの呼称も存在したらしいです。 
(by ほーげっちゅさん)


以上、参考にしたのは

このブログの→こちらの記事


以下、何でもありさんのブログより;
今日の諸鈍の塀の上
マサナリおじの話

てふてふさんのブログより;
コショマヤー

Img_0621爬虫類は苦手ですが、キノボリトカゲはぬとぬとしてないし、しっぽが切れないから大丈夫(^^)v
←次女
(金作原のキノボリトカゲではありません)

ティンマブリャーと最初に教えて下さったのは儀志直さんですが、最近お忙しいのかお見かけしませんねー。
お元気かな...


カボチャ、ボウブラ、トッツブル

2007-10-23 11:03:53 | 名前・地名・語源
~語源にハマる~

昨日のお話の続きです。
予めお断りしておきますが、あんまり読んで実になることはありません(^^;
私の備忘録みたいなものなので...すみません!
しかも、ものすご~く長いです。いつもの推敲力の無さを露呈。

*  *  *  *  *  *

さて、現在奄美の方言で「トッツブル」と言われる島かぼちゃ。
奄美に流された薩摩人の名越左源太さんの日記には、かぼちゃは「ボウブラ」「トウツブロ」の2種類の表現になっている。
使い分けに区別はあったのか?というお話。(こちらの記事のコメント欄)

私は、せっかくだから、区別して使い分けしていたら面白いな~と思い、そういう仮説のもと、調査開始!
**********************************************************

まず、ボウブラ
これは簡単にわかった。

  ボウブラ=菊座形  -① 

である。

以下、証明...じゃなくて説明。
(私ナンチャッテ理系でありまして ^^;)

ボウブラの語源は、ポルトガル人が長崎へカボチャをもたらした時、ポルトガル語の「Cambodia abóbora」(カンボジャ・アボボラ=「カンボジアのウリ」の意)といったのが訛ったのではないかとされている。(*1)

カンボジャ・アボボラの前半がカボチャ、後半がボウブラになったわけだ。
だから、ボウブラという名前はカボチャほどではないにせよ、全国的に広がっていて(*2a)、「ボウブラ」で検索すると色々な地域のものがヒットした。

⇒『ボウブラ』という呼び方は、薩摩・九州限定ではない。

この時持って来たのは、日本カボチャと呼ばれる菊座形のもの。1541年(*2b)とか1549年(*2c)の説があるようだが、とにかくその頃。

そして、それから百数十年後和漢三才図会という1700年代初めに出版された百科事典に、ボウブラはまんまるで真桑のようにかどがある(=菊座形)とあるそうだ。(*3)

Kabocha_1日本カボチャは、皮の色は黒に近い緑だが(*6)、形だけを見れば、島カボチャの
←このタイプは『ボウブラ』の範疇かな~?

以上、ボウブラ=菊座形 のお話。

*********************************************************

お次はトウツブロ。現代でいうところのトッツブル
これは、奄美限定の言葉だ。検索しても、他地域で引っかからなかった。

トウツブロ...トウ、ときてカボチャというと、トウナスが思いつく。

カボチャは漢字で書くと、南瓜。これは「南京瓜」の略。そういえば、「ナンキン」って言いますねー。
先ほどの『和漢三才図会』には、南京=唐茄子ということで、洋梨型すなわち茄子形であることが書かれてあるそうで。(*4) 
少なくとも、この時代にカボチャはボウブラとトウナスの2種類に分けられていたのだ。

Kabocha_2_2
島カボチャ的には、
←これが「トウナス」。

これでまず、
 トウナス=茄子形 -② 

というのが成り立つ。
ここで、

  トウナス=トッツブル -③  が成り立てば

  ボウブラ=菊座形 -①
  トッツブル=茄子形 (②③より)

というわけで、左源太さんも、形によってボウブラとトウツブロ(トッツブル)を使い分けしていたということで、バッチリ説明がつく。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 

それでは、  トウナス=トッツブル -③ は成り立つのか?


私が初めて「トッツブル」という言葉を耳にしたとき、「シブリ」の仲間のように感じた。

シブリとは、奄美の言葉で冬瓜(とうがん)のことだ。形や大きさも、カボチャ(茄子形)に近いものがある。
(こんなことなら一緒に写しておけばよかったが、1枚目の写真の左にチラっと写っている緑の瓜がシブリ)

これは沖縄でも「シブイ」と似たような発音で、語源は「渋いウリ」ではなく、白ウリ。(*7)
なるほど、切ったら中は真っ白ですもんねー。シブリの語源も同じであろう。

奄美で「ブリ」が瓜なら、カボチャを「トウツブリ」と呼んでいた時があったのかもしれないなー。

   トウ=唐 ツ=の ブリ=瓜。

(ツは古語で「~の」の意味があるので。ま「つ」げ=目「の」毛...)

唐の瓜なら、唐茄子と一緒ではないか。
トウナス=トウツブリ→転じてトウツブロ(左源太さん)→トッツブル  

そんなに不自然でもないですよねぇ??

はっ!昨日のコメント欄で「きさん」が、「トッチブリ♪トッチブリ♪」って!
ブリって言うんですねー。
ン?しかもシブリのなんとかってー。わーん意味がわからないです、きさん。
やはりシブリと関係あるんでしょうか??


でもとにかくよしっ!③が成り立った!おめでとう~!!
トッツブルは茄子形かぼちゃだったのだー。


でも、そうは問屋が...??

*****************************************************************

実は、カボチャを買う時にお店の人が「この丸い(菊座形)のはトッツブル、と呼ぶけど、長いのはトッツブルとは言わない。ただカボチャって呼ぶわねぇ」と教えてくれた。
ま、サンプルがたった一人、年配でない方だったので、ここはシマッチュの多くのお話を聞いてみたいものだがー。

お店の人の言う通りなら、丸っきり思っていたのと反対じゃ~

最初に挙げたコメント欄にほーげっちゅさんが書いていらっしゃる通り、奄美では「ツブル」「ツィブル」は頭のことだそうだ。(
奄美方言音声データベースにもカボチャの項に「唐・頭」と...)

結局、語源は瓜→ブリ→ブルの流れでなく、頭の「ツブル」?

そして頭といえば、やはり菊座形のほう?...。(まあ、人間の頭ならむしろ茄子形の方が近い気もするものの)

仮説敢え無く散り、ボウブラもトッツブルも菊座形で区別がなくなってしまった (^^;


それでも...。
もともとは、唐茄子と同じように、ひょうたん形がトウツブリ、それをいつしかカボチャ全般にいうようになり、「ツブリ」の部分が「ツブル(頭)」と似ているしので、頭のような菊座形の方だけトッツブリと広まっていき、語源もそちらのほうからと解釈された。

...な~んていうのだったらなぁ~
 (↑イツマデモジセツニコダワル) 

まあ、左源太さんも気分次第、あるいは島の人から「トウツブロ持ってきましたよー。」と言われればそう書き、言われなければ自分の言葉である「ボウブラ」を書いていただけなのかもしれない (^^; 

それにしても、もともとは茄子形であったはずの「ナンキン」や「トウナス」が、現代において形の区別なく、十把一からげにカボチャのことを指してているわけで。(ボウブラも同様)
区別がなくなるってちょっとつまらないなぁ~ 

========================================

はい、以上お読みいただいた通り、結局ボウブラとトウツブロに使い分けがあったかどうかは不明でありました (-o-)>

ここまでお付き合い下さった方(bizaさん、ほーげっちゅさん!)ごめんなさ~い<(_ _)>
しかも、最後の方は検索結果じゃなく、私の勝手な推測のゴリ押しでしたね~(^^;;


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

本来なら調べた「出典」を書いておくべきですが、なにせ文献を紐解いたわけでなく、ネット検索だけなのでそもそもの情報の正否が不明です。(ネット検索のコワイところ)
出典代わりに、以下に上の文の参考にしたサイトを記載しておきます。

*1→Wikipedia 
*2ab,*5→味の素 旬のカレンダー
*3,*4,*8→珍獣様の博物誌 
(↑この方はすごいです。瓜にハマってます。私どころじゃなく)
*2c,4→パティスリーかぼちゃの花
*6→食材辞典
*7→沖縄の食べ物

◎名前・地名・語源のカテゴリー作りました~


スズメノトウガラシモドキ

2007-10-18 04:12:15 | 名前・地名・語源
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私、スズメノトウガラシモドキと申します。
観察の森で、管理人さんからFORTUNEさんに紹介されました。

「スズメノトウガラシモドキ?!」
FORTUNEさんは私の名前に大層驚いた様子でした。
「...と、いうことはモドキでないスズメノトウガラシというのがあるんですかねぇ。」って。

ありますとも。
...なぁんて、思っているかもしれないスズメノトウガラシモドキ。(ふぅ。長っ!)

↓こちらが元祖(?)スズメノトウガラシ。
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(画像はよしゆきさんのサイトよりお借りしました。)

花はよく似ているが、葉の形が決定的に違う。「元祖」はスーっと細長い葉っぱだが、「モドキ」は丸っこくて、周りがギザギザでいっぱい。


スズメノトウガラシという名前はかわいい。
これは、唐辛子のような実をつけることからついた名前だそうだ。

でも、そのスズメノトウガラシに似ているからといって、スズメノトウガラシモドキとはあんまりな。

どちらも同じゴマノハグサ科。アゼトウガラシ属、というのまで同じだ。
モドキだって実はつけるそうだし。元祖のほうも「ヒロハスズメノトウガラシ」と「エダウチスズメノトウガラシ」というふうに、葉の形で名前を分けているのだから、これだって「マルバスズメノトウガラシ」とかにしておけば...。

いやいや、長ったらしいから、そういうのはやめて「雀の唐辛子」「燕の唐辛子」「雲雀=ヒバリの唐辛子」に分けるとか...

「もどき」というと、どうしても「本物とは違う」、というイメージだ。
時に恥ずかしく、腹立たしい存在になることすらある。
「香港のお土産だよ~」ともらった「ルイヴィトンもどき」の財布のような...。

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真面目な話、スズメノトウガラシモドキは分布地が沖縄島以南(『琉球弧野山の花』より)なのだから、「リュウキュウスズメノトウガラシ」とつけるとか...そういうネーミングの動植物は実際にたくさんあるのだから。
(リュウキュウコスミレ・リュウキュウマツなどなど)


3つ前のエントリー、「アサギマダラ」と「リュウキュウアサギマダラ」という名付けには、逆の意味で文句を言いたい。
リュウキュウアサギマダラとアサギマダラは、属が違う蝶なのだから、もっと名前も違うものにしてもらいたいのだ。

だって、リュウキュウアサギマダラを見ている人が、「アサギマダラね!」と言ったら私はどうするか?
「あれはね、アサギマダラじゃなくて、リュウキュウアサギマダラ!」

( ̄□ ̄;;!!  (←友人)


皆様、動植物の新種を見つけたら、名付けは慎重にお願いします。


ヒカゲヘゴ

2007-07-30 17:50:57 | 名前・地名・語源
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ヒカゲヘゴ。大きいものは、高さ10mにもなるヒカゲヘゴ。
涼しげな日陰を作ってくれる、ヒカゲヘゴ。

金作原(きんさくばる)に見に行った。
(写真は全てクリックで拡大します)
やっぱり、このレース模様は素敵☆

↓こういう、モノトーンな感じも好き。

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木性のシダ。こんな大きいけれど、やっぱり新芽は「シダ!」という感じ。

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こうしてみると、ゼンマイやワラビの仲間だなぁ...
食べられるのかしらん。

...そう思って調べてみると、あった。

日々是好物 ヘゴを食べてみる』←クリックでヘゴ料理へ。

やっぱり食べられるのか!

さあ、やってみよう!と思われた方、金作原は植物の採取は禁止ですゾ。
ただし、ヒカゲヘゴは奄美では全然珍しくない植物。庭に植えている人もいる。
「採ってよいものか?」確認の上、ぜひお試し下さいませ。

前に金作原について書いた時にも書いたが、「金作原=きんさくばる」という名前が、金策+欲張るに思えて。いや、お金を作る原、ということで縁起が良いようにも?!ヒカゲヘゴのうろこみたいなのが、これまた小判のようでもあり、埋蔵金がありそうなこの雰囲気...

ちょうどタイムリーに、先日南海日日新聞のコラムで、作田裕恒氏が金作原の語源について、「私見としては」と断りを入れた上で、次のように書かれていたのが興味深かった。

『方言で木をケィというので、金ではなく木で、ケィの多いサク(谷)のハル(所)すなわりケィンサクバルと勝手に解釈している。』

なるほどー。そういう解釈もあるとは。いずれにせよ、お金にはあまり関係なさそう...
奄美の地名の多くは、音にあわせて後から漢字があてられたそうだ。

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木にある「新芽」はよく見かけるけれど、こうして胞子から芽が出たと思われる赤ちゃんヒカゲヘゴは初めて見た。

こんなふうに↓がんばって大きくなれよぅ。

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奄美に来るまで、『奄美といえば海』のイメージしか無かったけれど、友達が来たら山も見せたい。
魅力いっぱいの奄美の山々なのだ。