MT.FORTUNE

Discover 奄美大島!

秋の金作原・ガイドツアー

2007-10-31 15:37:27 | 奄美-自然
Rurubu_7

奄美市名瀬の原生林、金作原(きんさくばる)。
先週、お友達に誘われてこの金作原へ行った。私(と坊主)にとって3回目の金作原だったが、これまでと違ったのは、初めてガイドさんに案内してもらったこと!

案内して下さったのは、ブログでのやりとりでもお世話になっている、観光ネットワーク奄美のmizumaさん
評判通り、ガイドさんに案内してもらうのは全然違う!

まずは、ルート。我が家の車で行くならば、観光バスと同じ知名瀬からのルートしか考えられないが、この時通ってもらったのは小宿からのルート。
ガタゴトガタゴト... うぉっ!こんな道を?!というわけで、普通車の一般の方にはお薦めできないが、そこは慣れてるmizumaさん。そんなガタゴト道から既にガイドは始まっているから、聞き漏らせない。

Rurubuさて、金作原の散策が始まると、歩く道々発見がいっぱい。家族だけなら、ぼーっと歩いてしまうようなところにも、教えてもらうとあれもこれも珍しい。

昨秋、同じような時期にもここに来ていたのに、その時は気づきもしなかったことを山ほど教えていただいた。

例えば、ヒカゲヘゴ。

見慣れたヘゴにも、こんな秘密が隠されていたのか!とmizumaさんの説明に「へ~」「ほんとだ~」「知らなかった~」と驚きっぱなし。

中でも、へ~~~と思ったのは、これ。(↓クリックで拡大)
Rurubu_10 Rurubu_11

「まん中は空洞なんですよスポンジ状。」と言われても、いまひとつイメージがわかなかったが、この切り株!
ヒカゲヘゴの中は、こんなふうになっていたとは!!(追記)→コメント欄にmizumaさんが書いていらっしゃる通り、真ん中は水たっぷりのスポンジ状で、それが切られるとすぐ乾燥して、写真のような空洞に。

他にもキリがないほど感動しまくっていたのだが、この日私が一番森のすごさを感じたのは、こちら↓

Rurubu_20

Rurubu_15

鬱蒼と生えている木々は、種から芽を出し育っていったものばかりでなく、こんなふうに倒木の枝が上に伸び、やがて根を張って森を作っているということ。

たとえ台風で倒されてしまっても、逆に1本の木がもっと多くの木に分かれていくとは、これはまさに「転んでもただでは起きない」!

**************************************************************

観光で来た人はもちろんなのだが、私はむしろ島ッチュにこのガイド付きツアーを一度体験してほしいな~と思った。

「お金を払って、森に行くなんて」と思うことなかれ。
身近にある、奄美の森の素晴らしさを再認識すること請け合いだ。

私が奄美に来て感じたことは、島の人の奄美の自然に対する評価の低さ。
海については、その恵みも得られることもあって自慢のひとつになっている感はあるものの、野山については、「ハブがいるかもしれない薮でしょ~」というような感じで。

「森はよく知ってるよ」という人も、きっとガイドさんからの説明を聞くと、目から鱗がいっぱいだと思う。

観光ネットワーク奄美のホームページはこちら
その中の、金作原のツアーについてはこちら

お薦めですよ♪












ブログペットの設定変更

2007-10-30 16:03:59 | ブログ
Ws000009     Ws000010

今まで左側のようだったブログペットが、今日から右側のようになりました。
広告が出ないようになるのに、これまで月315円払ってプラチナオーナズクラブというのに入っていたのをやめました。
(べつに、広告を表示しないためだけでなく、プラチナ...になるとそれなりに色々な機能もついていたのですが)

お友達のペットもこれで遊びに来ることはなくなってしまいますが...。
最近は、ここに遊びに来ることで交流を広げたりということもなかったですし、ほったらかしのポストペットだったので。
315円も積もって山となる...。節約節約!

広告がちかちかうるさく感じられるかと思いますが、「あまん」とお別れする気にはなれないので、どうぞご辛抱願います。
以上ご報告まで~






蝶を撮るのは難しい...

2007-10-30 15:20:04 | 奄美-自然
Butterfly

今日は、珍しくしとしとと雨。最近こんな雨は無かったので、植物も喜んでいるかも...
モダマをもう一度探しに、と思ったけれど、今日は無理...。

昨日は、モダマは見られなかったが、蝶々にはたくさん会えた。
この時期、野山はヤマヒヨドリの白い花がいっぱい。その蜜は、マダラチョウ科の蝶のご馳走らしい。
一番多かったのは、旅する蝶アサギマダラ。

Butterfly4

Butterfly5

でも、マーキングしたものは見つけられず。
相当な数を見たのだが...

と、思ったら、同じ日同じ道でマーキングの個体に遭遇していた方もいた。→こちら

このtさんのブログは『綾蝶(あやはぶら=奄美の方言で「はぶ(ぃ)ら」は蝶)♪てげてげ撮影日誌』というだけあって、本当に色々な種類の蝶の写真があるのだが、自分で蝶を追いかけてみると、その素晴らしさがますますよくわかる...。

きさんのブログも色々な蝶がいっぱい。実際に蝶に会ってみると、ただ会うだけではあんなふうに綺麗に撮れなくて。

アサギマダラの次によく見た、こちらツマムラサキマダラ。

Butterfly3

羽を広げてくれたら、綺麗な紫を写せるのに...と、思って粘ってみたつもりだけど、だめだー。あっと思ったら、もうどこかへ行っちゃって。

↓これはリュウキュウアサギマダラ。

Butterfly6

Butterfly7
羽広げてくれないかなぁ...

はっ!

Butterfuly8

あーーブレたー。

しかし、モンシロチョウとアゲハチョウ(←細かい区分無し)しか知らなかったのに、奄美に来て成長したのう、自分。

なーんて、アサギマダラはつい先日この時教えてもらったばかりだし、昨日も色んな蝶のことをtokorinさんに教えてもらいっぱなし。

もっと綺麗な写真もtokorinさんのところでどうぞ~!







モダマ探し

2007-10-29 23:59:00 | 奄美-自然
Pa290020

昨晩は、ネリヤ☆カナヤのライブに大盛り上がりしたが、今日はアウトドア。
tokorinさんと、モダマの実を探しに。

マメ科のモダマは、サヤが1m以上にもなって、中のお豆も直径5~10cm!うちの坊主の身長よりもでっかいサヤがぶらぶらしているなんて、これはぜひぜひ見てみたい!

ところが、ようやく場所を見つけて二人で探したものの、見つからない。
え~?!今年はあるって聞いたのにー。

ないないない、見つからないよぅ。探し方が悪いのかしらん。
2人で、あっちを見上げ、こっちを見下ろし...

モダマは、絶滅危惧IB類(EN)、近い将来に絶滅する危険性が高い種で、木そのものが大変少ない。
おまけに、毎年実をつけるわけでもないということで、めったにお目にかかれない。

その実は『幸運の豆』などといって、アクセサリーなどに加工されたりして珍重されている。
だから、この豆を盗る人が後を立たないらしい。

Pa290022ここのは、当然採ってはいけない。

盗られちゃったのかな。
う~ん、でも採れそうにない場所にある、ってこちらのサイトにもあったしなぁ。

「予想外の場所」って書いてある。
たくさんある、って書いてある。つい先週のことだ。
やっぱり探し方が悪かったのだろうか...

そうであってほしい。ここへたどり着くにも迷いに迷った私たち。この看板の前も、最初は素通りしてしまった私たち。どなたか、「まだありますよ!」と教えて下さらないかしらん。そうしたら、もう一度見に行ってみます...。

いずれにせよ、採りにくいところなら盗られなくて安心、なんて思うこと自体が悲しい。
手に届くところにあっても、いつでもそこにあってほしいモダマ。
盗ったモダマは『幸運の豆』じゃないですゾ。
きっと祟りがありまする。
私も化けて出るからねー!!こわいぞーー!!

追記:つい先日迄は、この看板近くにもあったそうだがそれは見つからなかったものの、ちょっと違うところにもあるらしい?!近々リベンジ!


にっぽん丸 古仁屋港寄航

2007-10-27 23:57:00 | 奄美-見る・遊ぶ
※写真はクリックで拡大します。

Pa260029 

昨日は、豪華客船『にっぽん丸』が来る、ということで古仁屋港まで行って来た。

つい最近も、名瀬港に来たばかりだし、外観を見るためにだけならわざわざ古仁屋までは...。
1時間かけて古仁屋まで行ったのは、「内部見学ツアー」に応募したら当たったので~(^^)v 
Pa260031

↑こちらコーラル橋から。
駐車場がいっぱいで、橋の向こうの臨時駐車場に案内され、初めて歩いて渡った。
地上8階・地下2階、それはまさに「動くホテル」そのもの!

Pa260032_2
あっ!

おはようございまーす。

オプショナルツアーに参加するお客様を待つガイドさん。
お話を伺うと、なんだかとっても楽しいツアーが組まれていたようで。


50名を二つのグループに分けての船内見学会。
船員さん(これが、ジャパニーズ・ディカプリオみたいな方で。豪華客船に乗ってるとこうなるのか...)が丁寧に説明したり、質問に答え下さったり...

この船は、三代目の「にっぽん丸」で1990年就航。車だったら20年近くも前のだと、恐ろしく古い感じがするが、来年引退するQE2は1969年就航。こういう船はきちんとメンテナンスすれば40年くらいは使えるので、18年たったこのにっぽん丸は、『新しくはないが古くもない』そうだ。
ふ~ん...妻としての私と一緒。きちんとメンテしないと40年はもたないよ~

Pa260037 Pa2600422 Pa260057
Pa260062 Pa260063_2 Pa260066

普通のホテル同様にエレベーターがあって、劇場やホールやレストランやバーがあって...。港に停泊中はユラリとも揺れないので、中に入ってしまうと自分が船に乗っている、という感じがしない。

内部の様子、詳しくは、にっぽん丸公式ページのフロアマップガイドからどうぞ。
尚、このホームページからは最近流行りのペーパークラフトなんかダウンロードできる。楽しそう。

Pa260050

こちらから眺める古仁屋の町は新鮮。
ちなみに、昨日のエントリーの写真もこの船内から。

Pa260044わー。何か整備点検中でしょうか。上げたり下げたり...乗ってみた~い。
いや、こんなのには乗ってみたくない...
...と、思ったら反対側から何でもありさんも同じようなことを考えていらしたようだった。

Pa260049

Pa260033港には、お店がいっぱい出ていたが、売れたかな。うーん、いまいちのような。我々が着いた時は、船内のお客さんはほとんど下船し、そのままツアーに行ってしまったみたいで...。
名瀬新港に大型客船が来る時も、大抵こんなふうにテントとお店が出るのだが、船内のお客さんがツアーで出払っている間は船を見に来る地元の人ばかりなので、もう少し飲み食いできるものを増やしたらどうかしらん。

Pa260055_2 Pa260065_2

左:これまで立ち寄った港での歓迎セレモニーなどで、この船がもらったプレートなど。何百枚もある。
古仁屋のはどんなプレートかな。(渡されたのかしら?)

右:オプショナルツアー一覧。1番人気は加計呂麻島。


小一時間かけた船内ツアー。

最後にディカ様はこうのたまった。
「本日ご覧いただけなかったところもたくさんございます。皆様ぜひ一度クルーズのお客様として再度のご乗船をお待ちしております。」

そ、そんな日がくれば... (^。^;;










明日は『ジャッジ』!

2007-10-26 15:16:17 | ジャッジ・ジャッジII
~第3話は明日です~

Pa260047

先週はお休みでしたが、NHK土曜ドラマ『ジャッジ ~島の裁判官 奮闘記~』の第3回目は明日です!
土曜の夜、お出かけの方はビデオ・DVDの予約をお忘れなく。

連続5回の3回目ですが、1・2回目をご覧になってなくても十分楽しめると思いますよ~
1週お休みがあったことで、ドラマの冒頭では軽くおさらいもあるでしょうし...

前回までのあらすじは→こちらです。

架空の島「大美島」ですが、奄美大島の風景満載です。
写真の古仁屋の町並みもドラマによく出てきますね~!

もちろん風景だけでなく、お話も面白いですヨ。
「面白い」といっても、何か劇的な展開があるとか、ものすごい大事件があるとかいうわけではないのですが、だからこそセリフのひとつひとつが現実的で重みのあるものになっていると思います、ハイ。

実際に裁判に携わる人から見ても、結構リアルな作りになっているそうですよ!

みなさん、ぜひぜひご覧下さいね!



ハロウィン かぼちゃランタンの作り方

2007-10-24 23:20:00 | お気に入り?
~ ジャック・オー・ランタン 島かぼちゃバージョン~

Kabocha4「島カボチャ」で作ったかぼちゃランタン。

このランタンは、「ジャック・オー・ランタン」という名前だ。
ハロウィンとジャック・オー・ランタンについては、Wikipediaの記事をどうぞ。

作り方は、簡単!
簡単だけど、面倒くさい!
Jack_1①カボチャの実の下の方を切り取る。
島カボチャ、中はほとんど空洞だった(^^;
切り取ったおしりの部分は、また後で使うので捨てないように。

カボチャの頭の方を切り取るやり方も見かけるが、お尻の方があとから見栄えも良いし、ろうそくも立てやすい。

Jack_2②種と綿をスプーンでかき出す。
これはとっても簡単。すぐ終わる。
島カボチャの種は、普通のカボチャより小さかった。

③あとは、実をどんどん削ってうすくしていく。
これが、超面倒!
島かぼちゃの実は、よくある西洋かぼちゃよりやわらかいとはいえ、やはりスプーンだけでかき出すのは無理。

私はあじ切包丁(刃渡り10cmくらい=出刃包丁のミニ型)+丈夫なスプーンを駆使したものの、いやー根気がいったこと。
ミノが欲しかった...

Jackなにせ、使ったカボチャが大きくて。
スイカくらいあるやつ。

海外には専用のカービングキット(こんなの)も売っているのだが、島カボチャには向かないかも...
あのオレンジのいわゆるパンプキン、というのはだいぶやわらかい。スプーンでかきだせる堅さだったと思う。


かき出し続けること1時間以上。実の厚さは、皮を入れて1cmくらいにまでなったところで、もういいかな、と。

あまりに夢中でやって、かき出し終わったところの写真を撮るのを忘れてしまった(^^;

そうそう、かき出したカボチャの中身だが...
削ったものなので、煮物などの料理には使えない。
私は、カボチャのパイにしたのだが、普通のカボチャよりはるかに水分が多くて大失敗(^^; よって写真は無し!
失敗したものの、冷凍して毎日一切れずつ食べている。
スープにすればよかったなぁ~

さて、くりぬいたら...

④あとは、好みの顔をペンで下書きして、それに従い掘るだけ。
この時は、皮がうすく(私は1cmくらいまでかき出した)なっているので、堅くて大変ということはない。
あじ切包丁は小さくてとがっているので、結構作業しやすかったが、カッターナイフでもよい、と書いてあるサイトも結構あった。

Jack_4顔を掘り終わったところ。

⑤最初に取っておいたカボチャのお尻の部分に釘を刺し、そこにろうそくを立てる。

Jack_5⑥ガムテープで貼る。
こんなんでも、置いてしまえば見えないので大丈夫(^^)v

Jack_6 Jack0

でっきあがり~♪
目や口のあたりからチャッカマンで点火。

かぼちゃが焦げないよう注意しましょう~

ちなみに、先日書いた通り、これは作ってから3日くらいしか持たない。

Jacklast10月16日に作ったカボチャ、8日後の10月24日にはこうなり、ハロウィンを待たずして、先ほどさよならした...

尚、一時期、中に蚊取り線香を入れてみた。
目や口から煙が出て、不気味さが増したが、なかなか機能的であった...

もちろん、島カボチャでなくてもOK。
皆さんもお試し下さいね~♪

【追記】2008年のかぼちゃランタン⇒こちら













カボチャ、ボウブラ、トッツブル

2007-10-23 11:03:53 | 名前・地名・語源
~語源にハマる~

昨日のお話の続きです。
予めお断りしておきますが、あんまり読んで実になることはありません(^^;
私の備忘録みたいなものなので...すみません!
しかも、ものすご~く長いです。いつもの推敲力の無さを露呈。

*  *  *  *  *  *

さて、現在奄美の方言で「トッツブル」と言われる島かぼちゃ。
奄美に流された薩摩人の名越左源太さんの日記には、かぼちゃは「ボウブラ」「トウツブロ」の2種類の表現になっている。
使い分けに区別はあったのか?というお話。(こちらの記事のコメント欄)

私は、せっかくだから、区別して使い分けしていたら面白いな~と思い、そういう仮説のもと、調査開始!
**********************************************************

まず、ボウブラ
これは簡単にわかった。

  ボウブラ=菊座形  -① 

である。

以下、証明...じゃなくて説明。
(私ナンチャッテ理系でありまして ^^;)

ボウブラの語源は、ポルトガル人が長崎へカボチャをもたらした時、ポルトガル語の「Cambodia abóbora」(カンボジャ・アボボラ=「カンボジアのウリ」の意)といったのが訛ったのではないかとされている。(*1)

カンボジャ・アボボラの前半がカボチャ、後半がボウブラになったわけだ。
だから、ボウブラという名前はカボチャほどではないにせよ、全国的に広がっていて(*2a)、「ボウブラ」で検索すると色々な地域のものがヒットした。

⇒『ボウブラ』という呼び方は、薩摩・九州限定ではない。

この時持って来たのは、日本カボチャと呼ばれる菊座形のもの。1541年(*2b)とか1549年(*2c)の説があるようだが、とにかくその頃。

そして、それから百数十年後和漢三才図会という1700年代初めに出版された百科事典に、ボウブラはまんまるで真桑のようにかどがある(=菊座形)とあるそうだ。(*3)

Kabocha_1日本カボチャは、皮の色は黒に近い緑だが(*6)、形だけを見れば、島カボチャの
←このタイプは『ボウブラ』の範疇かな~?

以上、ボウブラ=菊座形 のお話。

*********************************************************

お次はトウツブロ。現代でいうところのトッツブル
これは、奄美限定の言葉だ。検索しても、他地域で引っかからなかった。

トウツブロ...トウ、ときてカボチャというと、トウナスが思いつく。

カボチャは漢字で書くと、南瓜。これは「南京瓜」の略。そういえば、「ナンキン」って言いますねー。
先ほどの『和漢三才図会』には、南京=唐茄子ということで、洋梨型すなわち茄子形であることが書かれてあるそうで。(*4) 
少なくとも、この時代にカボチャはボウブラとトウナスの2種類に分けられていたのだ。

Kabocha_2_2
島カボチャ的には、
←これが「トウナス」。

これでまず、
 トウナス=茄子形 -② 

というのが成り立つ。
ここで、

  トウナス=トッツブル -③  が成り立てば

  ボウブラ=菊座形 -①
  トッツブル=茄子形 (②③より)

というわけで、左源太さんも、形によってボウブラとトウツブロ(トッツブル)を使い分けしていたということで、バッチリ説明がつく。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 

それでは、  トウナス=トッツブル -③ は成り立つのか?


私が初めて「トッツブル」という言葉を耳にしたとき、「シブリ」の仲間のように感じた。

シブリとは、奄美の言葉で冬瓜(とうがん)のことだ。形や大きさも、カボチャ(茄子形)に近いものがある。
(こんなことなら一緒に写しておけばよかったが、1枚目の写真の左にチラっと写っている緑の瓜がシブリ)

これは沖縄でも「シブイ」と似たような発音で、語源は「渋いウリ」ではなく、白ウリ。(*7)
なるほど、切ったら中は真っ白ですもんねー。シブリの語源も同じであろう。

奄美で「ブリ」が瓜なら、カボチャを「トウツブリ」と呼んでいた時があったのかもしれないなー。

   トウ=唐 ツ=の ブリ=瓜。

(ツは古語で「~の」の意味があるので。ま「つ」げ=目「の」毛...)

唐の瓜なら、唐茄子と一緒ではないか。
トウナス=トウツブリ→転じてトウツブロ(左源太さん)→トッツブル  

そんなに不自然でもないですよねぇ??

はっ!昨日のコメント欄で「きさん」が、「トッチブリ♪トッチブリ♪」って!
ブリって言うんですねー。
ン?しかもシブリのなんとかってー。わーん意味がわからないです、きさん。
やはりシブリと関係あるんでしょうか??


でもとにかくよしっ!③が成り立った!おめでとう~!!
トッツブルは茄子形かぼちゃだったのだー。


でも、そうは問屋が...??

*****************************************************************

実は、カボチャを買う時にお店の人が「この丸い(菊座形)のはトッツブル、と呼ぶけど、長いのはトッツブルとは言わない。ただカボチャって呼ぶわねぇ」と教えてくれた。
ま、サンプルがたった一人、年配でない方だったので、ここはシマッチュの多くのお話を聞いてみたいものだがー。

お店の人の言う通りなら、丸っきり思っていたのと反対じゃ~

最初に挙げたコメント欄にほーげっちゅさんが書いていらっしゃる通り、奄美では「ツブル」「ツィブル」は頭のことだそうだ。(
奄美方言音声データベースにもカボチャの項に「唐・頭」と...)

結局、語源は瓜→ブリ→ブルの流れでなく、頭の「ツブル」?

そして頭といえば、やはり菊座形のほう?...。(まあ、人間の頭ならむしろ茄子形の方が近い気もするものの)

仮説敢え無く散り、ボウブラもトッツブルも菊座形で区別がなくなってしまった (^^;


それでも...。
もともとは、唐茄子と同じように、ひょうたん形がトウツブリ、それをいつしかカボチャ全般にいうようになり、「ツブリ」の部分が「ツブル(頭)」と似ているしので、頭のような菊座形の方だけトッツブリと広まっていき、語源もそちらのほうからと解釈された。

...な~んていうのだったらなぁ~
 (↑イツマデモジセツニコダワル) 

まあ、左源太さんも気分次第、あるいは島の人から「トウツブロ持ってきましたよー。」と言われればそう書き、言われなければ自分の言葉である「ボウブラ」を書いていただけなのかもしれない (^^; 

それにしても、もともとは茄子形であったはずの「ナンキン」や「トウナス」が、現代において形の区別なく、十把一からげにカボチャのことを指してているわけで。(ボウブラも同様)
区別がなくなるってちょっとつまらないなぁ~ 

========================================

はい、以上お読みいただいた通り、結局ボウブラとトウツブロに使い分けがあったかどうかは不明でありました (-o-)>

ここまでお付き合い下さった方(bizaさん、ほーげっちゅさん!)ごめんなさ~い<(_ _)>
しかも、最後の方は検索結果じゃなく、私の勝手な推測のゴリ押しでしたね~(^^;;


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

本来なら調べた「出典」を書いておくべきですが、なにせ文献を紐解いたわけでなく、ネット検索だけなのでそもそもの情報の正否が不明です。(ネット検索のコワイところ)
出典代わりに、以下に上の文の参考にしたサイトを記載しておきます。

*1→Wikipedia 
*2ab,*5→味の素 旬のカレンダー
*3,*4,*8→珍獣様の博物誌 
(↑この方はすごいです。瓜にハマってます。私どころじゃなく)
*2c,4→パティスリーかぼちゃの花
*6→食材辞典
*7→沖縄の食べ物

◎名前・地名・語源のカテゴリー作りました~


トッツブル

2007-10-22 12:08:34 | 奄美-食べ物・食材
~島かぼちゃ~

Kabocha

ここ数日奄美も急に寒くなって、「長袖出さなくちゃ!」とオタオタ... 
と、思ったら今日は久々にポカポカ。季節的には「小春日和」なのだろうが、奄美で過ごす3回目の10月、セミが鳴き最高25℃くらいの今が世間の小春日和に当たるのかどうか、なんだかわからなくなってきたー。

さて、今地元の八百屋さんには島カボチャが並んでいる。

島の言葉で、カボチャは「トッツブル」。他に、「トツブル」とか「トゥーチブル」などともいうようで。
丸いの、長いの、ごつごつしたのからツルンとしたの。
色々ある。

どうやって食べるのですかー。

お店の人に尋ねたら、「普通のカボチャと同じよ~。島では昆布と豚肉と一緒に煮物にしたりするのが多いけど。」ということだった。

でも、今回買った目的はちょっと違って。
...と、いうのは後でお話するとして。

************************************************************

このブログを長く読んで下さっている方はお気づきだと思いますが、私は地名やものの名前の由来・語源、その名前の変化などに、なぜだか(ほんと、なぜなんでしょー?)非常に興味があります。
でも言語学を学んだとか、本をたくさん読んでいるとか、研究しているとかいうことは全くないので、人の知識を見ては「ほぉ~」とうなったり、勝手に想像して楽しんだり。

最近では、こちらの記事のコメント欄の、ほーげっちゅさんとbizaさんの会話がとても興味深いものでした。「トッツブル」と「ボウブラ」の関係です。

bizaさんは、名越左源太さんが奄美に流されていた間(1850~1855)の日記の翻訳をしていらっしゃるのですが、その日記の中ではカボチャをトウツブロ(=今回のトッツブルですね)とボウブラと2種類で表現しているとのこと。「カボチャ」は、カンボジアを経由してきたのでこういう名前がついた、というのは結構有名ですが、この場合カボチャは出てこなくて、ボウブラとトウツブロです。
何か違いはあるのかなーというお話で。
こういうお話が載っていると、言語にも歴史にも疎いくせに、ついつい検索ワールドに入ってしまいます。


で、検索の結果を書こうと思ったのですが、異ッ常~に長くなってしまいそうなので、次回に。

************************************************************

そうそう、今回カボチャを買った目的はコレ!

Kabocha4

故有って、先週作ったのですが、本物のカボチャで作ると腐ったり縮んだりカビが生えたりするので、見ごろは作ってから3日ぐらい。
ハロウィン(10月31日)のためなら、次の週末あたりに作るのが良いですヨ!
作った様子も語源ワールドの次にアップしまーす。



スズメノトウガラシモドキ

2007-10-18 04:12:15 | 名前・地名・語源
1

私、スズメノトウガラシモドキと申します。
観察の森で、管理人さんからFORTUNEさんに紹介されました。

「スズメノトウガラシモドキ?!」
FORTUNEさんは私の名前に大層驚いた様子でした。
「...と、いうことはモドキでないスズメノトウガラシというのがあるんですかねぇ。」って。

ありますとも。
...なぁんて、思っているかもしれないスズメノトウガラシモドキ。(ふぅ。長っ!)

↓こちらが元祖(?)スズメノトウガラシ。
Photo_3
(画像はよしゆきさんのサイトよりお借りしました。)

花はよく似ているが、葉の形が決定的に違う。「元祖」はスーっと細長い葉っぱだが、「モドキ」は丸っこくて、周りがギザギザでいっぱい。


スズメノトウガラシという名前はかわいい。
これは、唐辛子のような実をつけることからついた名前だそうだ。

でも、そのスズメノトウガラシに似ているからといって、スズメノトウガラシモドキとはあんまりな。

どちらも同じゴマノハグサ科。アゼトウガラシ属、というのまで同じだ。
モドキだって実はつけるそうだし。元祖のほうも「ヒロハスズメノトウガラシ」と「エダウチスズメノトウガラシ」というふうに、葉の形で名前を分けているのだから、これだって「マルバスズメノトウガラシ」とかにしておけば...。

いやいや、長ったらしいから、そういうのはやめて「雀の唐辛子」「燕の唐辛子」「雲雀=ヒバリの唐辛子」に分けるとか...

「もどき」というと、どうしても「本物とは違う」、というイメージだ。
時に恥ずかしく、腹立たしい存在になることすらある。
「香港のお土産だよ~」ともらった「ルイヴィトンもどき」の財布のような...。

Photo

真面目な話、スズメノトウガラシモドキは分布地が沖縄島以南(『琉球弧野山の花』より)なのだから、「リュウキュウスズメノトウガラシ」とつけるとか...そういうネーミングの動植物は実際にたくさんあるのだから。
(リュウキュウコスミレ・リュウキュウマツなどなど)


3つ前のエントリー、「アサギマダラ」と「リュウキュウアサギマダラ」という名付けには、逆の意味で文句を言いたい。
リュウキュウアサギマダラとアサギマダラは、属が違う蝶なのだから、もっと名前も違うものにしてもらいたいのだ。

だって、リュウキュウアサギマダラを見ている人が、「アサギマダラね!」と言ったら私はどうするか?
「あれはね、アサギマダラじゃなくて、リュウキュウアサギマダラ!」

( ̄□ ̄;;!!  (←友人)


皆様、動植物の新種を見つけたら、名付けは慎重にお願いします。