~子供手塾師会より~
![Tejuku1 Tejuku1](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/56/30c96f59d45246e61b28e4141abe625b.jpg)
8月の手塾師会・子供講座は、
興克樹さんを講師に迎えての「海の生物」のお話。
このブログでも、興さんからいただいたニュースを何度か紹介しているが、とにかく奄美の海の写真・映像といえば、興さん。オニヒトデの駆除にサンゴの研究、魚、クジラ、ウミガメ。
奄美の海のことならこの人にお任せ!な方である。
今回の手塾師会も、子供だけでなく大人も面白そうだな~♪
さて、会場の「奄美海洋展示館」に到着し、時間になると目の前に出されたのは海水の入った水槽。そして、中には生きたサンゴ。
そこに取りいだしたるは、サンゴの天敵オニヒトデ!
ああ、見た目も鬼のような憎いヤツを水槽に...オニヒトデは、サンゴを食べるだけでなく、人間にとっても有害だ。ご覧の通りの無数のトゲ。
触るだけでも痛そうだが、その上、毒があって刺されたらもう大変!痛いだけでなく、時にはハチに刺された時同様のアナフィラキシーショックを起こしてしまい、命にすらかかわるそうだ。ああおそろしや。そして、そんなオニヒトデを、人の手で地道にひとつひとつ取り除いているのが現状だそうだ...
こいつを水槽に入れると、その動きの早いことには驚いた。
裏側には、タコの吸盤を小さくしたようなのが、これまた無数にあり、それを使ってひゅ~とあっという間に移動する。サンゴの上に覆いかぶさり、いざ食べん!という状態に。
この、硬そうでゴツゴツしたサンゴをどうやって食べるかといえば、オニヒトデの口は体の裏側真ん中にあり、そこからなんと胃袋を外側に出して、サンゴを包み込む。そして、そのまま消化してしまうのだそうだ。うへー。
胃袋を体外に出すとは...いやはや、世の中本当にいろんな生き物がいるものだ。
必死に生きるオニヒトデには申し訳ないが、君は完全に悪役だ。ゴキブリや蚊と同類で、我々には目障りな存在でしかない。貴重なサンゴを食べられては大変。
...と、いうわけで、オニが胃袋を出して食べる前に、さっさと水槽からサンゴを出した興さん。サンゴ君、ヒヤヒヤさせてごめん。
そして、お次に登場するは、今度はオニヒトデの天敵、ホラ貝様!
そう、あのボーーー!と低い音を出す笛となるあのホラ貝は、オニヒトデを食べるのだ。
食事目前のサンゴを持っていかれた直後に、天敵ホラ貝を入れられたオニヒトデ。天国から地獄へまっさかさま。
![Tejuku4 Tejuku4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/00/9cc7324c72941eb25d80bbcd4244f467.jpg)
でも、万事周到に用意したお料理番組ではないから、ホラ貝も都合よくすぐにオニヒトデを食べてはくれない。
しばらく眺めて、やっと貝から手(足?)を出してくれたものの、食べる様子が無いので、講習会は別室に移動しで映像を見ながらお話を聞くことに。
その間、ホラ貝にはゆっくり攻めてもらいましょう。
映像体験ホールに移動して、興さんの撮影された写真やビデオを見ながら色々なお話を伺った。
以前、このブログでもご紹介したが、今年は大浜海岸沖でも結構クジラを見ることができたことや、奄美諸島で撮影された珍しい海の様子の数々。
その他、統計的な話まで色々なことを伺うことができた。
...さて。お話が終わり、水槽に戻ってみると、
うひゃー!食べてる食べてる!ホラ貝がオニヒトデを。
オニヒトデのサンゴの食べ方も、お話を聞くまで不思議だったが、ホラ貝のオニヒトデの食べ方もこりゃまたすごい。
あのトゲトゲの鬼っ子をどうやって?と思いきや、ホラ貝はなが~い口を出して、オニヒトデの唯一柔らかい口部分(=胃袋が出てくる柔らかい体の裏側真ん中)につっこみ、ちゅーちゅー中身を食べてしまうのだそうだ。
うぅ、これまた、口に口を突っ込み、体の中を食べつくすとは、ホラ貝もただの笛ではなかった。
![Tejuku6 Tejuku6](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/ab/b438b4fb6991db56e22488eadfba0196.jpg)
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(^^;;
貝殻を目当てに、人間がホラ貝をたくさん採ってしまったから、オニヒトデは天敵がいなくなり増えてしまった...
と、いう認識は、間違いだそうだ。
ホラ貝は、オニヒトデを食べるとはいっても、せいぜい1週間に1個程度。(調べてみると、ひとつ食べると1週間消化に時間がかかるということらしい)そんな程度では、とても現在のオニヒトデに対して対抗手段とはならないそうだ。
(だから、安心してホラ貝を採りましょう!ということではないけれど。)
いやぁ、珍しいものを見せていただいた。
たとえダイビングして、海の中にもぐったとしても、こんな透明の水槽ではないから、食べているのを裏側から見るということはまず不可能。このようなことが、海の中では繰り広げられているとは...
そんなわけで、サンゴはすぐに助けられたものの、悲しき鬼っ子は、ホラ貝の1週間分のお食事となったのだった...(;_;)
ああ、面白かった。やはり、このオニヒトデVSサンゴ、オニヒトデVSホラ貝を見られたのはすごい。
また、私はブログで拝見したので(ふふ、知ってる知ってる♪)と思ってみていたクジラの映像にも、会場の親子皆感嘆の声を上げていた。美しい海のサンゴの様子やクジラなど、奄美の海の素晴らしさを堪能できた。
それに、今奄美のサンゴ礁がどれだけピンチな状況に陥ってしまったかも...
興さん、貴重なお話&映像&実験をありがとうございました!