アブダビ投資庁(ADIA/Abu Dhabi Investment Authority)のシティへの75億ドル(8000億円)の出資の話は、かつての危機に際しサウジのアルワリード王子の出資で奈落から立ち直った経緯になぞらえることができそうだ。本日の日経平均やドル円相場を大きく動かしたように、サブプライム関連で最大の問題金融機関への資金注入は掛け値なしに救世主の登場ということだろう。こうした出資以外に即効性のある策はないので、このリスクテイカーの登場は部外者である我等(国内投資家)としては当座の朗報ということだと思う。昨日のシティ株は30ドルを割れていたのでADIAにしてもいい買い物ということになりそうだ。収益に結びつくノウハウや人材またブランドというインフラはあるわけで、問題は毀損した資本関係をどう修復するのかという点にあった。「出資証券」をADIAが購入というふうに報じられているが、早い話がこれは転換社債(CB)を発行したということで、その利率が11%という条件から見るとシティ側が(結局は米国側が)頭を下げてお願いしたという類のものではないかと思う。なぜなら直近でシティが発行した社債のレートが9%とされているからだ。扱いとしてはジャンク債である。伝えられるところによるとこれらの社債は2010年3月から2011年9月の間に31.83~37.24ドルで普通株式に転換されるということらしい。そうなるとサウジの王子さまを超える大株主になるらしい。
このADIAに対しては、10月末にマコーミック米財務次官が幹部に対し「米国債の購入を増やしてほしい」旨の申し入れをしたと11月22日の日経朝刊の特集記事が書いていた。持ちつ持たれつと言いたいが、結局政府系ファンドさまさまということになりそうだ。政治的な動きもあったのかね。
このADIAに対しては、10月末にマコーミック米財務次官が幹部に対し「米国債の購入を増やしてほしい」旨の申し入れをしたと11月22日の日経朝刊の特集記事が書いていた。持ちつ持たれつと言いたいが、結局政府系ファンドさまさまということになりそうだ。政治的な動きもあったのかね。
アブダビ投資庁のサプライズの出資。シティ株はいずれ持ち直すのだろうが、まだ病根がはっきりしない段階でずいぶんなギャンブルだと思う。
産油国が今一番困るのはドル安なんですね。カンフル剤のつもりでしょうが、東京、ニューヨークとも株価に好影響はでたものの、一時的で終わりそうだし、肝心の為替が動いてませんよ。この出資、失敗ではないんでしょうか。やっぱり買うならゴールドでしょ!
http://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr1/home/oracle/80/2007/2b1b095/2b1b0950.pdf