さすがに本日の香港ハンセン指数は反落したが、昨日は急騰で史上最高値更新。背景にあるのは、中国が先週末に発表した個人投資家に対する海外株式投資の解禁がある。先週末にFinancialTimesが伝えていたが、昨日の日経では「国際収支の不均衡是正や人民元の上昇圧力緩和を狙う」と解説されていた。国内に滞留する投資マネーを放置すると、国内の資産価格を水膨れさせ(つまりバブルを発生させ)結局、悪影響を及ぼすことから、この解説は的を得ているといえる。ただこの中国の動きには、もう一つの側面があって、最大の焦点は3月末で既に1兆2千億ドルになりさらに急ピッチで拡大している中国の外貨準備の問題がある。人民元レートを対ドルで安定させるために、引き続き恒常的な為替介入を行っているが(持ち込まれるドルを吸収し新規に印刷した人民元を放出する)既に国内に資金が溢れかえり限界状態。国内に撒き散らした人民元(マネー)を外に流す(外国株取得解禁)というのが、この制度改革の目的のひとつであるのは誰でも理解できる。
香港H株指数が反応するのもわかる。大事なのは、この3月の全人代(中国の国会にあたる)の後で発表された外貨準備運用機関の設立構想との関連だろう。外貨準備を使い、原油などエネルギー関連のものすら運用対象として戦略的に取り扱うことができるという方針だった。
実はこの外貨準備の運用枠として、どの程度の資金が振り分けられるかが関心事なのだが、4月の上旬にメインランド中国に130店舗以上の支店を持つ国泰君安証券の関連会社である国泰君安アセットのナンバー2(副総経理)と話をする機会があった。その際に興味深かったのが、外貨準備の一部を使って香港株式の取得に向かうのではないかとの観測があったこと。さらにその金額は総額2500億ドルほどで、これだけの金額が積極運用に回される見通しについてだった。この話を聞いた時、当方は本土登記の香港株の取得ということまでは考えていなかったので驚いたというわけ。すなわち「適格国内機関投資家(QDII)」制度を使って外貨準備の運用も進めようということだろう。いよいよ隔離された上海株ではなく香港株が動くことで、実質ベースでのバブルの様相が高まるのだろうか?
香港H株指数が反応するのもわかる。大事なのは、この3月の全人代(中国の国会にあたる)の後で発表された外貨準備運用機関の設立構想との関連だろう。外貨準備を使い、原油などエネルギー関連のものすら運用対象として戦略的に取り扱うことができるという方針だった。
実はこの外貨準備の運用枠として、どの程度の資金が振り分けられるかが関心事なのだが、4月の上旬にメインランド中国に130店舗以上の支店を持つ国泰君安証券の関連会社である国泰君安アセットのナンバー2(副総経理)と話をする機会があった。その際に興味深かったのが、外貨準備の一部を使って香港株式の取得に向かうのではないかとの観測があったこと。さらにその金額は総額2500億ドルほどで、これだけの金額が積極運用に回される見通しについてだった。この話を聞いた時、当方は本土登記の香港株の取得ということまでは考えていなかったので驚いたというわけ。すなわち「適格国内機関投資家(QDII)」制度を使って外貨準備の運用も進めようということだろう。いよいよ隔離された上海株ではなく香港株が動くことで、実質ベースでのバブルの様相が高まるのだろうか?