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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

最後に残った金最高値未更新の国 日本

2020年04月13日 17時59分21秒 | 金市場
本日13日の日本国内の「金地金の店頭販売価格が40年ぶりに最高値を更新した」と報じられている(日経)。「主要な販売店の販売価格は1グラム6513円(税込み)と1980年1月に付けた最高値1グラム6495円を超えた」としている。たしかに記事の内容に間違いはなく、店頭小売価格は40年3カ月ぶりに最高値を超えた。取扱社により多少の違いはあり、一部の店では先週末段階で超えていた。

「店頭販売価格」という比較に間違いはないが、1980年(昭和55年)1月21日の6495円は、当時消費税がなかった時代であり、自分としては比較に際して消費税抜きの本体価格を使って話したり、書いたりしてきた。したがって店頭小売価格を語るのであれば本体価格6495円に10%乗せた7145円を上抜けて、名実ともに過去最高値更新と捉えている。いずれこの価格は抜けることになる。

自国通貨建て金価格が、最高値を更新していない最後の国が日本であり、表現を替えるならそれは通貨円が40年間、金に負けていなかったということ。終値ベースでみてNY金の過去最高値は2011年8月22日の1891.90ドル。当日の国内店頭小売価格は税抜きで4659円だった(石福金属)。当時のドル円相場が76.72円だった。為替相場の影響は大きく、足元の1ドル=108円で換算すれば国内価格は6569円となり、とっくに高値更新となっていたことになる。もっとも、“たられば”の類で、この比較に意味があるわけではないけれど。話を戻すと、2011年8月22日が、ドルが金に対して最も価値を落とした日だった。その約1年後にユーロも同じ道をたどったと記憶している(当時のユーロ建て金価格最高値更新)。その他主要通貨から新興国通貨まで金は過去最高値を更新済みとなっている。

そして最後に残った円も、同じ金額で購入できる金の量が最小となる日がいずれやって来る。ただし、円の抵抗は見かけ以上に強いのも事実で、稼げる国(経常収支黒字国)の強さでもある。その強さもドルと同じように水面下で侵食が進んでいる。
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