さてイベント・デーである。NY時間外の日本時間の本日午前10時半頃に金市場では少しまとまった買いが入り10ドルほど値が取んだが(1330ドル台)、このところちょくちょく見かける取引の薄いところを狙った仕掛けのような買いといったところか。ドル円も売り先行(ドル安)で進行中。
本日は、日本時間の21時15分にまず給与計算代行など雇用サービス会社ADPによる全米雇用報告(民間部門のみ)がある。8月2日に発表される米労働省の雇用統計の方向性を見る上で参考にされるが、以前は本番の雇用統計との整合性も薄く信頼度はイマイチという感じだった。ここにきてデータ集計の見直しなどから大きな開きはなくなってきている。6月は18万8000人の雇用増で今回の市場予想は18万人となっている。
続いて21時30分に米4-6月期のGDP速報値が発表される。前期比伸び率(経済成長率)の市場予想はここにきて下方修正するところが増えたことから1.0%まで落ちている。1-3月期のGDP成長率は速報段階の2.5%から確報値は結局1.8%に下方修正されたが、依然として米国景気は成長しているものの“緩やか” という状況が続いていることを示すもの。今回も環境に目立った変化が見られないことから、仮に1%割れとなると、その中でFOMCが緩和策の縮小を急ぐと思えないが、果たしてどうなるか。
そしてそのFOMCの声明文発表が日本時間明朝3時となる。今回は経済見通しを示さないFOMCにつき、終了後の議長の記者会見はない。FOMCも年内は9月、10月、12月の3回を残すのみとなるが次回9月17-18日は議長の記者会見付きであり、重要な政策変更については市場への説明の機会があるということで、9月の縮小策着手を読む関係者が多いのもこのため。今回のFOMCでは失業率の数値目標の引き下げや、インフレの下限値の設定など政策変更の基準を改めて示すとの見通しを米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが書いたことから、この点も注目事項となっている。欧米メディアには、すでにバーナンキ議長がレームダック化しているとの見方もある。雇用統計が発表される2日もポイントだが、それ以上に本日が重要ではないかな。
今週は8月2日の夕刻17時30分からの「ラジオNikkei」マーケット・トレンド出演です。「radiko」経由でネットで生で聴けます。スマホは言うに及ばず・・・・かな。