亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

実需に裏付けられた相場は強い

2005年09月09日 10時06分22秒 | 金市場
小幅なものを含めて6日続伸。NYコメックスの金価格はザラバで年初からの高値を更新してきた。いまや昨年12月の終値ベース457.8ドルは射程に入ってきた。更新は時間の問題といえる。先物市場で買い付いたファンドの残は徐々に解れてきている。それでもなお高水準。8月23日に米国発の「巨額の赤字」という形をとって供給されたマネー(ドル)の循環が金融市場に活況をもたらしているものの、それは危うさとも裏腹の関係で、それを危惧する投資家は金を手放そうとはしないし、逆に機会を捉えて買い増しに動くと書いた。8月12日には、ベルギー中銀の売却について、中銀が売ってくれるから安く買える、とも書いた。NYコメックス(先物市場)が整理モードにあるなかで価格が下げ渋っているのは、現物市場のほうでは下値に買い注文が這わされているからだろう。

そうしたことを裏付けるデータが一昨日7日のロンドンで発表された。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の需要統計がそれだが、4-6月期の結果は予想を上回った(重量ベースで前年同期比21%増)。一言でポイントを示すと、400ドル超の価格帯に市場全体に慣れが出て、420ドル台あるいは430ドル台は買いの水準というコンセンサスができつつあるということ。このこと自体は、各種媒体で指摘してきたが、それが改めてデータの上で証明された形である。そしてロンドンベースの調査会社GFMS(Gold Fields Mineral Services )による2004年のデータの延長線上にあるものだ。驚くべきは、最大の需要国インドの数値。四半期ベースで過去最高の277トンと前期比47%増となっている。“机の上の話”だがこのペースは年間1000トンを越える!!年始1月に日経マネーデジタルの方で「金市場もインドです」と題して書いたが、この数値は予想を遥かに超えるものだ。

実需に裏付けられた相場は強い、ということ。

昨日の都内は猛暑復活。それでも夜には涼風が吹いて、マツムシの鳴き声。そこに遠くから街灯に刺激されたツクツクホーシの声。夏と秋が入り混じる。息を凝らして聴いた。

「金市場もインドです」

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