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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

事前通告されていた人民元切り上げ

2005年07月25日 18時53分24秒 | 国際情勢
(18:45)英経済紙フィナンシャル・タイムズが、本日付(7月25日)の「コメントと分析」欄にて先週の人民元切り上げに関して、中国当局が米財務省スノー長官のところに今回の改革の内容と実施のタイミングまで事前に通告していたと報じている。今回の人民元改革の着手は、それがいかに中国サイドの利益に資するかを根気よく説いてきたスノー長官の「静かな外交」の成果だとしている。先月スノー長官とグリーンスパン議長が対中制裁法案を準備した上院議員との会合を持つということがあったが、記事によるとその際スノー長官は、9月に予定されている胡錦濤主席の訪米前の8月にも切り上げが実施されるという見通しを伝えたという(そういえばFTは先々週8月切り上げ見通しを流していた)。この分析記事自体は、全般にスノー財務長官に対する賛辞がちりばめられているのだが、同長官が2003年に中国を訪問して以来、中国当局者とりわけ周中国人民銀行総裁との定期的なコンタクトを持っていたとしている。結果的には公表の1週間前に切り上げが迫っていることを、そして(その後?)内容と時期を知らされたという。このことは財務省の中でも秘密にされていたという。その際に米国側からは歓迎の意向と国際的にも支持を得るであろうと北京に伝えられたとしている。

う~~~む、9月に予定されている米中会談の場所がブッシュ大統領のクロフォードの私邸になりそう、という報道が週末にあったが、このFTのニュースを読んで納得がいった。キャンプデービットの大統領別荘ではなくクロフォードの牧場は国賓待遇を意味するが、2002年の江沢民主席の時はクロフォードではあったが日帰りだった。大国のメンツを重んじる中国としては、今回の胡錦濤訪米に際しては、ぜひ“泊めてくれ”ということなんだろう。そのお膳立てで、気を使っているというのは穿ちすぎだろうか。でもそう考えると外交のウラ舞台というのも、ほんと面白いね。このまま見守ろう。新たな発見があるやも知れぬ。
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