前日18日に一時4.061%と13日に米消費者物価指数が予想比上振れで乱高下した際に付けた4.073%に迫った米10年債利回りだが、4%を上回る利回り水準では買いが入りやすく、それ以上の上昇は抑えられていた。
さらに週明けの市場の乱高下を懸念した英中銀イングランド銀行が、資産買い入れプログラム(量的緩和策)で購入した英国債の最初の売却を11月1日に実施すると発表。予定では最初の売却は10月31日だったが、新たな財務相の下、英政府が10月31日に財政計画を発表するとしたことを考慮したものとみられた。
英国債はじめ欧州債に買いが入り、米国債に波及した面もあった。それでもいったんは4%割れの3.965%まで落ちていた米10年債利回りだが、引けでは前日とほぼ変わらずの4.011%で終了していた。
それも本日発表された英国9月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比の上昇率が10.1%と7月に記録した40年ぶりの高水準に並んだ。英国債が売られ流れは米国債に波及。10年債は13日の乱高下の際に付けていた上記の4.073%を突破し、ここまでのところ4.094%まで付け14年ぶりの高水準を更新している。
インフレと利上げ見通しについては、今週もFRB高官の発言が続いている。 18日はミネソタのパネル討論会に登壇したミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、「最も厄介なコアサービス価格のインフレ加速が継続しており、われわれは上振れに驚き続けている」と発言。「基調的インフレや(食品・エネルギーを除く)コアインフレで進展が見られない場合、4.5%や4.75%程度での利上げ停止を主張する理由は見当たらない」とした。 カシュカリ総裁は以前から、来年の早い時期に政策金利が「4%台半ば」に上昇するとしてきたことで知られ、この日自身でもそのことも言及した。新型コロナ禍以前はFRB関係者の中でブレイナード現副議長とともに声高なハト派として知られたカシュカリ総裁だが、今年は一転してタカ派の筆頭に浮上している。
11月1、2日の連邦公開市場委員会(FOMC)では4会合連続の0.75%利上げが織り込まれているが、発言内容は年内最終の12月の会合でも大幅利上げを思わせるものといえる。もちろんインフレ次第という条件がつくが。
10年債利回りが、14年来の高水準を更新するにつれドル指数もジワジワ上昇。こうなるとNY金が売られている。2番底を打つと予想しているが、それは9月末の安値を割らないことを条件としている。割れても似たようなものと思うが。
本日のNY株がどう反応するか。大きく売られれば、金利耐性などできていないことになる。