FOMCは声明文に「景気の道筋は新型コロナ感染動向に大きく左右される」と、わざわざコロナ問題を掲げた部分以外はほぼ前回と同じ。やはり6月中旬以降の感染再拡大の影響が労働市場や消費に表れ始めたことの現状認識と対応策の必要性にパウエル議長の発言は集約された。「経済を支えるためにあらゆる手段を使う」や、ゼロ金利政策は雇用や物価などFRBが掲げる政策目標が「軌道に乗ったと確信するまで維持する」という発言は、以前からの主張そのままだった。最近ではブレイナードFRB理事が最近のウェブセミナーで取り上げたが、2%の物価の目安を超える状況に至っても、しばらく放置するスタンスまで固めているのが現状で、企業信用に波乱を起こさないこととともにデフレ阻止は依然として大命題に変わりなし。
さらにパウエル議長は5月の議会証言でも共和党保守派議員の反発を覚悟のうえで、いまは財政赤字の拡大を懸念する時期ではないとし、歳出を増やさないと長期にわたる経済の生産障害のリスクになるとしたが、今回も政府と議会に対し早期の追加支援策の決定を促した。議会証言では、財源確保の赤字国債の増発で金利が上がるようなら、FRBが安定発行の地ならしをする旨の発言までしている。
その支援策の法案の成立が遅れそうな気配だ。そもそも共和党議会指導部が作成した予算規模1兆ドルの支援策に対し、共和党内部から反対意見が出ており、民主党との折衝以前の問題となっている。総額3兆ドルの下院民主党案は歳出規模からして共和党保守派は乗れないものでこれは大統領も同じ。政策発動が後手にまわると、先行きのコストが大きくなるのが常で、その点でもパウエル議長は議会の動きを歯がゆい思いで見ているのだろう。ホワイトハウスが機能不全状態で迷走しており、FRBも困難に直面している。「決められない政治」という点で、2011年の8月に似てきた。
さてさて、本日は米4-6月期GDP速報値と週次の失業保険新規申請件数の発表日。GDPについては悪いことは織り込み済みゆえに、どの程度予想より上振れるのか否か。まずは、この後の結果を見ましょ。
さらにパウエル議長は5月の議会証言でも共和党保守派議員の反発を覚悟のうえで、いまは財政赤字の拡大を懸念する時期ではないとし、歳出を増やさないと長期にわたる経済の生産障害のリスクになるとしたが、今回も政府と議会に対し早期の追加支援策の決定を促した。議会証言では、財源確保の赤字国債の増発で金利が上がるようなら、FRBが安定発行の地ならしをする旨の発言までしている。
その支援策の法案の成立が遅れそうな気配だ。そもそも共和党議会指導部が作成した予算規模1兆ドルの支援策に対し、共和党内部から反対意見が出ており、民主党との折衝以前の問題となっている。総額3兆ドルの下院民主党案は歳出規模からして共和党保守派は乗れないものでこれは大統領も同じ。政策発動が後手にまわると、先行きのコストが大きくなるのが常で、その点でもパウエル議長は議会の動きを歯がゆい思いで見ているのだろう。ホワイトハウスが機能不全状態で迷走しており、FRBも困難に直面している。「決められない政治」という点で、2011年の8月に似てきた。
さてさて、本日は米4-6月期GDP速報値と週次の失業保険新規申請件数の発表日。GDPについては悪いことは織り込み済みゆえに、どの程度予想より上振れるのか否か。まずは、この後の結果を見ましょ。