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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、米レーバーデー連休明けまで夏休み(軟調展開)?

2020年08月20日 20時17分16秒 | 金市場
NY金は2000ドル台回復もつかの間19日は大きく売り込まれた。現状でさらなる上値追いの材料に乏しいことも事実で、高値水準でいったん利益確定しておこうとの動きがあるとみられる。19日は、現地時間午後2時に7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の発表を控えていたが、その結果を待たずにNYの通常取引入り後の午前の段階で売りが優勢となり、1960ドル近辺まで水準を切り下げた。前日まで5営業日連続で下げていたドルが反発したこと、トランプ政権と議会の間で調整が難航していた新型コロナ支援追加経済対策につき、規模が縮小するものの(5000憶ドル)合意の可能性が出たことが、売りのきっかけとされた。そうかもしれぬが目先の材料一巡で、いったん手仕舞いというムード。通常取引が1970.30ドル(42.80ドル安)で終了後の時間外でさらに売り込まれ1930ドル台で終わっていた。

その後発表されたFOMC議事要旨だが、積極的な緩和策(ゼロ金利政策)を従来の見通しよりも長期にわたり維持する可能性を検討したことが判明。また新型コロナパンデミックによる景気低迷からの回復には、かなりの不透明感が存在するとの懸念がメンバー間で共有されていることが判明した。議事要旨では、多くの参加者が「政策金利の先行きの経路を、より明確にするのが適切」と表明。

インフレ率や失業率など(何らかの目標を掲げての)結果主義型のフォワードガイダンス(今後の政策方針の明示化)の是非を議論したとみられ、次回9月(15~16日)の会合で導入されるというのが、市場のコンセンサスとなっている。具体的には、政策金利(FFレート)を長期間引き上げないと明示して金融緩和の効果を高める狙いがある。いまでもガイダンスは存在するが、「雇用の最大化と物価安定の目標を達成する軌道にあると確信するまで(金利の)目標レンジを維持する」というもので、確かに具体性に欠けるのは否めない。

一方、今回の議事要旨では、市場の一部で期待が高まる長短金利操作(イールド・カーブ・コントロール、YCC)やインフレ目標の強化などのやや極端な政策の導入には否定的であることが判明した。議事要旨発表後に、それまでプラス圏で推移していた株式市場が下げに転じたり、金市場もさらに売り込まれたりしたのは、感染再拡大の中で市場が「非伝統的」と表現される金融政策を前のめりに期待していた現れといえるかもしれない。

いずれにしても、目先の相場一巡で18日の最後に「こうなると、終値ベースで先々週の高値2069.40ドルを抜けるのか、あるいは目先の2番天井形成かという話になってくる」としたが、バフェット効果も限定的なものに。当面、8月7日の高値(2089.20ドル)が君臨ということになった。下値をどう固めるか。前日の急落の余勢を駆って、いったんは1874,20ドルまで売り込まれたものの1949.00ドルで引けた8月12日の日足は、買い気の強さを感じさせたのは確か。1900ドル割れは乗り遅れた投資家の買いが控えるとみられるが、終値が徐々に切り下がるパターンになる可能性もある。例年この時期にワイオミング州ジャクソンホールで開かれ、市場に動きをもたらすことの多いカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムだが、今回はウェブ会合でライブ配信される予定。8月27、28日に開催される。今から1週間後に9月のFOMCに関する示唆的な材料が出るのか。いずれにしても9月のレーバーデー(労働者の日)の連休明けから、動きが出るのではないかと思われる。

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