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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

レンジ相場続く金市場だが・・・

2009年03月30日 14時15分38秒 | 金市場
さて米国財務省の不良資産買い取りプログラム発表から1週間。その評価が固まってきた。政府出資と融資で民間との間に個別に設立する買取ファンド。民間の出資が全体の14分の1(7%)で済み、しかも落札した(買い取った)資産に将来損失が出た場合には損失が発生しても、ローン債権が対象の場合であれば融資分はFDIC(連邦預金保険公社)に買い取り資産を引き渡せばOK(ノンリコース)という民間にとっては好条件。民間の出資が14分の1で済む点が、“レバレッジ”を利かした取引になるというのが、昨今のデ・レバレッジ(レバレッジ取引の解消)の流れに逆行する点でおもしろい。リスク許容度の落ちている民間部門(勝ち組もいるので必ずしもそう言い切れない点はある)を考えると、資金の導入のために、ここまでお膳立てしないといけなかったということか。背景には、買い取り価格を政府財務省が決めることの難しさがあると見られる。財務省が国民サイドに立ったのか、金融サイドに立ったのか、どれだけ客観性を持たせたとしても両サイドから非難は出よう。そこで民間資金が入ったファンドの相互の入札制とすることで、文句はなかろう・・・と。それでも入札に際しての基準となる価格はどうなるか。難しい。さらに、上限の1兆ドルを買ったとしても、それでは足りないという現実。手早く実行に移されるのだろうが、その都度経過の段階で市場の評価に晒されることに。

金市場の方だが、先週のETFはロンドン上場のものが若干増えて残高で過去最高をやっと更新。ただ規模は137トンほど。主力のSPDRゴールド・シェアは先週も12.84トン増加。これで月初から98.15トンの増加で今年1月の63.63トンを上回っている。2月は249.06トンと破格の規模ゆえ見劣りするのだが、月間で100トンの増加はやはり記録的なペース。これだけの買いが続いているが値の重い金市場。先週はスクラップと呼ばれる金製品の換金売りの“つなみ”が続いているインドからは、3月は輸入のあるなしではなく「輸出」に転じたのではというニュースまであった。価格はレンジ相場だが、900ドル台の攻防戦が続いている。4、5月はインドの需要期さらに多くのヘッジファンドの中間期さらに米国金融を巡る様々なイベントと、今週後半から騒がしくなりそうだ。

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