注目の上海株は結局62.556ポイント安、率にして1.68%安で終了。1日で8.5%安の後ではあるが、自律反発など気配も見られないのは、相場コントロールによるものか?中国証券監督管理委員会(CSRC)という政府組織は、前日の中国株急落について調査を進めているとし、「悪質な空売り」に関与した人物を厳正に処罰する方針としている。急落の当初は、その背景を“公安警察”が調べるとされたので、(少し大袈裟だが)株を売っただけで国家転覆罪にでも問われそうな印象を海外投資家に与えることになった。政府の介入は不評を買い、資金流出を加速させた。官制相場ならぬ官憲相場と呼ぶらしい。
株高は、そもそも地方政府の融資平台を使った借金(債務)や国有企業の過剰債務を減らす手段として採用されたとされる。その財源として、国有企業のIPO(株式新規公開)を利用するというものだったらしい。そのために、人民日報という機関紙まで株高見通しを報じ、参加を煽ったらしい。
ところが行きは良いよい、帰りはこわい・・・の童謡よろしく月初の株安に。株高を利用してIPO(株式公開)で資金調達をしようとしていたのとは逆に需給を悪化させるIPOは禁止され、銀行から融資を受けたその資金で自社株買いを強要される始末。過剰債務を上塗りし、銀行は銀行で不良債権を拡大させる構図。昨日の株価急落のきっかけは、政府は株価下支え策の終了を検討中との噂とされるが、実際に20日の新聞には、一応株安が小康状態となったことで“出口戦略を検討中”とかの観測記事が掲載されていたらしい。その時は関心を示されなかったものの、24日のPMIの予想外の悪化や昨日発表の工業部門利益がマイナスに転落したりということが、不安心理を高め弱気が一気に広がったようだ。海外勢の売りも、その中にあったろう。
そもそも企業が銀行融資を設備投資に使わず、日本でかつてはやった言葉を使うなら“財テク”に走っていたとされるので、何をかいわんやということだが、そもそも政府が過剰債務の解消策として奨励していたわけで・・・事の顛末はどうなるか。この余波は、広がりそうだ
このところのオイル急落は中国経済の先行きを見据えてるのかもしれない、と思ってた。ゴールドも引きずられて下がるのは不都合だけど、金のポジションを少しあげたい場合は好機になるかもしれませんね。
中国共産党は株の買い支えをやっている。日本では日銀が株の買い支えをやっている。どっちも私には「ありえへん世界」です。
スマートにやって目立たなくするか、中国のように強権発動で力技で対峙しようとするか。しかし、市場規模の大きくなっているいま、北京のやり方こそ、ありえへん世界ですね。あれでいて中国は経済運営には自信を持っているとされます。
FRBも株価を上げたかったわけで、五十歩百歩ならぬ千歩くらいか。。