亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

異なる風景の州ベースの雇用統計

2013年10月23日 23時54分07秒 | 金融市場の話題
発表が遅れていた米9月の雇用統計だが、市場の関心は11月8日に発表予定の10月の結果に移っていた。財政論議が膠着するであろうことは予想の範囲内だが、政府機関の閉鎖期間が市場の予想以上に続いたのも確かだ。そもそも9月については、そこそこの雇用増が見られるだろうと市場の油断があったようにも見受けられた。実際に大手JPモルガンの予想では19万5000人の雇用増、失業率は7.2%となっていた。結果の14万8000人とは大きな開きがある。

失業率は市場予想の7.2%に沿ったものとなったが、これもこのところの傾向である仕事探しを諦めた人が増えた結果(労働参加率の低下)であり、好感されるには至らなかった。ちなみに労働参加率は、生産年齢(15歳以上65歳未満)人口のうちの働く意思のある人の比率を表すもので、これが春以降低下が目立っており、直近の8月そして9月と1978年以来の低水準の63.2%となっている。すでにFRB内部でも単純に失業率が下がれば、それに従い自動的に資産買い取りの縮小や超低金利政策の解除を進めるという、ここまでのやり方は改めようということになっている。より総合的見地から判断するために、失業率だけをターゲットにしないことにしたわけだ。

興味深いのは、リーマンショックの前までの労働参加率は66%程度で、当時の水準に合わせて計算し直すと足元の失業率は11%強となるのだそうな。

これらの数字は全国平均だが、来月になれば州ごとの数字も明らかになる。直近8月のデータでは、失業率6.6~7%未満が3州。7%台が13州、8%台が12州にワシントンD.C(特別区)、9%台も4州ほどある。しかも春先まで低下していたものが、ここに来て上昇が目立ってきているところも複数指摘されていた。そうした分析からは、今回の7.2%、14万8000人の増加という結果も整合性がありそうだ。

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