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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

先が見えない関税政策、幅広い買いを集めNY金3350ドル超

2025年04月17日 22時46分15秒 | 金市場

月16日のNY市場の金価格は大幅に続伸した。米通商政策の不確実性が継続する中で、トランプ大統領が関税賦課の前段階として、半導体および医薬品の輸入が国家安全保障に及ぼす影響につき調査を命じたと報じられた。また激化する米中貿易摩擦の解決に向けた交渉を開始するには、中国側からの接触が必要だとの見解を示した。しかし、水面下での交渉は行われているものと見られるが、中国側も強硬な姿勢を崩しておらず、沈静化の兆しが見えない。

対欧州連合(EC)でも交渉の進展は見えないと伝わる。

 

高度の不確実性の中で米国株式は大きく続落。トランプ政権が半導体大手エヌビディアによる中国への輸出に新たな規制を設けたことが売り要因となり、テック株を中心に大きく下落。ダウ30種平均は再び4万ドル割れに。

この日の午前早くに発表された注目指標3月の米小売売上高は前月比1.4%増加とこの2年余りで最も大きく増えた。自動車販売も2年ぶりの大幅増となった。しかし、関税が引き起こした駆け込み購入と見られることから、需要の先食いは否めず今後の消費の落ち込みへの警戒が根強く、株式相場を支える材料にならなかった。

一方、主要通貨に対しドルも売られ、今週に入り終値ベースで100ポイント割れとなっているドル指数(DXY)は16日一時99.174と3年ぶりの安値を付け99.38で終了。 リスクオフセンチメントがさらに広がる中で、16日の金市場は、時間外のアジア市場から買い先行の流れが終日続いた。アジア午後、ロンドン早朝からNYに入るまで時間の経過に沿うような形で静かにかつ着実に水準を切り上げ、アジア時間の午後に3300ドル台に乗せ、ロンドン午前には3330ドルを突破。

その後NYに入り3320ドル台での売り買い交錯状態の横ばいで推移し、午後に入りやや水準を切り上げた。通常取引は前日比106.00ドル高の3346.40ドルで終了した。1日の上昇率は3.3%で、2020年4月9日の4.0%以来の大きさに。

 

一方、午後に入って13時30分からシカゴ経済クラブでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演。関税政策などを背景に景気の不確実性や下振れリスクが高まったとしつつも、関税に伴う物価上昇が持続的なインフレ高進を引き起こさぬよう政策変更(利下げ)を急がない姿勢を示した。

発言内容はタカ派的と受け止められ、株式市場は下げ幅を拡大した。

一方で、時間外取引に入っていたNY金は買い優勢に転じ、節目の3350ドルを突破。一時3358.40ドルを付けさらに最高値を更新し、3357.70ドルのほぼ高値引け状態でこの日の取引を終了した。

 

この日も金ETF(上場投信)への資金流入は続き、残高を増やしている。従来より幅広い投資マネーを集める形で金(ゴールド)は水準を切り上げている。

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