亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

前提条件の変化

2013年10月21日 23時55分29秒 | 金市場
40ドル超の上昇を見た10月17日のNY金市場だが、この日の金EFT(上場投信)は代表的な銘柄の「SPDRゴールド・シェア」は3.3トンもの減少となっていた。結局先週は、1週間で8.75トンの減少となり、週足で3.3%の上昇となったにしては一方で資金流出が続いている実態を表した。上昇の原動力は、売り方の買戻しの動き、いわゆるショートカバーと見られるが、こちらも新規資金が入っているか否かがポイントになる。そして残念ながら、目立って入ってきているようには見えない。先週も「SPDRゴールド・シェア」は8.75トン残を減らし、流出が止まっていない現状を示した。

ところで目先の危機回避を最優先にした米財政協議の決着だが、ここに来てFRBの資産買い取り縮小着手のタイミングも後ずれするとの見方が金融市場で急速に広がってきている。年内最後となる12月17-18日のFOMC(連邦公開市場委員会)でも、政府機関閉鎖の景気への微妙な影響など計りきれない可能性があり、やはり政策変更は見送られるだろう。

その見通しの中で、潤沢な資金供給が続くという前提で世界的に株式市場は勢いを取り戻すことも考えられよう。一方で、楽観に傾ききれない金市場では、後連れはするものの結局は緩和策縮小は実施される、という捉え方に支配されている状況といえる

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