goo blog サービス終了のお知らせ 

亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

静かな市場の裏で環境の変化は続いている

2021年09月14日 20時55分47秒 | 金市場
13日のNY金は小反発。本日発表される8月の米消費者物価指数(CPI)を前に、市場全般に様子見の雰囲気にて目立った動きはなかった。米国株がこの1週間ほど弱含みに推移していた反動で上昇した程度で、すでに来週に迫る連邦公開市場委員会(FOMC)を意識し動きの取りづらい市場環境といったところ。9月初めに北米を襲ったハリケーン「アイダ」の影響を受けたメキシコ湾岸の石油精製施設の再稼働の遅れが伝えられ、この日はWTI原油が70ドルに乗せて取引終了。株式市場ではエネルギー関連が買われたのが目立った程度。

米長期金利は前日比で低下し1.326%に。一方、ドルは主要通貨に対し買われドル指数は一時92.887と、8月27日以来の水準に上昇。拮抗する材料の中で金は前日比2.30ドル高の1794.40ドルで終了となった。一時1800.20ドルまで上値を見たものの水準は維持できずに終了。先週来下げ足を速めているパラジウムが、46.50ドル安の2079.80ドルと2100ドル割れに。手元の資料では昨年7月17日以来1年2カ月ぶりの安値水準となる。取引が薄いので、モメンタムが生まれると値動きは大きくなる。

消費者物価指数(CPI)の発表をひかえ、注目されたのはNY地区連銀が発表した8月の消費者調査に表れた期待インフレ率の上昇だった。1年先の期待インフレ率が中央値で5.2%と10カ月連続で上昇となった。3年先の期待インフレ率も同4.0%に上昇し、それぞれ2013年の統計開始以降で最高を記録した。物価動向については、こうした消費者のマインドの推移は軽視できぬ要因につき、政策当局も注視している。17日には9月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)の発表を控えるが、8月は10年ぶりの水準に急低下しサプライズとなった経緯がある。新型コロナデルタ株の感染拡大やインフレ懸念が背景となっていた。

なお米民主党は今週から総額3.5兆ドルのインフラ、大型歳出法案の編成作業を本格化する。13日、議会下院民主党はバイデン政権が目指す連邦法人税の増税を巡り、現行の21%から26.5%に引き上げる案を発表した。バイデン政権が掲げる28%は下回る水準。所得税は最高税率を37%から39.6%へ引き上げ。株式などの譲渡益(キャピタルゲイン)への最高税率は20%から25%に引き上げる案となっている。

過去1年間見られてきたような刺激策一辺倒ではなくなる環境が近づいている。こうした環境の変化に対し株式など金融市場はどう反応するか。それは金市場の関心事でもある。

本日のラジオNIKKEI マーケットトレンドPLUS いま言いたいことは概ね盛り込めた。今週はPodcastの更新予定。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 波乱を呼びそうなドットチャ... | トップ | 金の上値追いには迫力不足だ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事