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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金の上値追いには迫力不足だったCPI

2021年09月15日 22時50分06秒 | 金市場

14日に発表された8月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)は早急な緩和政策の修正は行わないとの見方から、主要通貨に対しドルが売られ、金市場は買い優勢の流れに転じることになった。NYコメックスの通常取引は前日比12.70ドル高の1807.10ドルで終了。発表直前まで売りが先行していた金市場だったが(安値1780.60ドル)、CPI (Consumer Price Index)の結果を受けて流れが変わった。1800ドル近辺では売り買い交錯状態になるも、短時間でこれをこなし1810ドルに達し、その後は1810ドル手前の水準を横ばいで推移ということに。しかし、現時点でこの上が開けない。

一方、世界的な自動車生産の滞りを手掛かりとする、PGM(白金族メタル)の売りはこの日も続きパラジウムは6営業日続落となった。前日比104.20ドル安の1975.60ドルで終了。手元のデータでは昨年7月9日以来、14カ月ぶりの安値水準となる。プラチナは反落で18.80ドル安の938.70ドルで終了。昨年11月23日以来約9カ月ぶりの安値となる。

8月の米CPIは、前月比0.3%上昇と、7月の0.5%上昇から鈍化した。前年同月比では5.3%上昇。7月は5.4%上昇だった。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びは前年同月比4.0%と、7月の4.3%から鈍化し、市場予想の4.2%を下回った。傾向を把握する上で重視される前月比でも0.1%上昇と、7月の0.3%から縮小。2月以来、6カ月ぶりの低い伸びにとどまった。内訳では、中古車・トラックが前月比1.5%下落し、半年ぶりにマイナスに転じた。新型コロナ・デルタ株の感染が拡大する中、航空運賃は9.1%落ち込んだほか、ホテル・モーテルも3.3%下げた。

いずれにしても、対前年比では記録的な伸びだが、前月比でみると減速傾向というのは、先週末のPPI(生産者物価指数)にも表れていたもの。

インフレ圧力の高まりは一時的としてきたFRBの見方を裏付けた形だが、一方で人手不足やサプライチェーン(供給網)の混乱など物価の押し上げ要因は解消しておらず、インフレの高止まりを指摘する見方も多い。労働市場は徐々に引き締まっており、賃金上昇圧力が増している。また、住宅市場での供給不足は、記録的な価格上昇や家賃の上昇を引き起こしており、これらは物価上昇が続く要因になり得るもの。

すでに市場の目は明日16日の8月の小売売上高に移っている。

昨日のラジオNIKKEI マーケット・トレンドPLUS

 

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