亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、押し目買いゾーン

2024年05月24日 20時34分03秒 | 金市場

さて、ポイントとした23日発表の5月S&PグローバルのPMI(購買担当者景況指数)速報値は、予想を上回る堅調さを示した。

 

FRB利下げ観測がさらに後退し、米長期金利とドルがともに上昇し、ゴールドのさらなる売り手掛かりとされた。

ここまでの今月に入って発表された米主要経済指標は、4月分だった。総じて鈍化や予想比下振れとなった。その点でS&PグローバルのPMI(購買担当者景況指数)速報値は、まさに足元5月の状況はどうか?ということが見えるもの。

4月30日~5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)の基礎資料となった4月17日のベージュブック(地区連木経済報告書)は、経済は「わずかに拡大」したほか、企業のコスト転嫁がさらに難しくなったと指摘した。「個人消費は全般的に辛うじて増加したが、地区や支出項目によってかなりまちまちだった」という表記もあった。

つまり経済は4月に入り減速傾向を強めているのではとの見方が成立した。

したがって5月PMI速報値の予想は製造業は低下、サービス業はやや上昇というものだった。

ところが実際には上振れた。

 

総合指数は54.4と、2022年4月以来2年超ぶりの高水準となった。市場予想は前月の51.3から51.1への低下となっていた。つまり予想外の大幅上昇ということに。50が拡大と縮小の節目となっているが、サービス業PMIが54.8と4月の51.3から大きく上昇。一方、製造業PMIは50.0から50.9に小幅上昇した。サービス業が勢いを強める中で、製造業は拡大モードに復帰している。

個別項目では製造業の投入価格指数が1年半ぶりの高水準に上昇し、「インフレの主な原動力が今やサービス業より製造業からもたらされている」(S&Pグローバル)としている。

つまり財(ザイ)と表現されるが、モノのインフレ低下が足踏みあるいは反発している可能性を意味する。

 

広く市場で高まっていた利下げ期待は急速に低下することになった。

直前までの急騰の反動ということもあり、いち早く調整局面入りの様相を濃くしていたNY金には、見切り売り的な利益確定売りが出され、下げ幅を拡大することになった。5月23日のNY金は前日比55.70ドル安の2337.20ドルで終了。1日としては4月30日以来の下げ幅となった。

通常取引終値ベースでNY金は、5月13日の2343.00ドルから20日の2438.50ドルまで駆け上がり、そして23日の2337.20ドルまで急落と、わずか9営業日で約100ドル幅での急騰急落となった。いわゆる「行って来い」状態に。

 

ここまでのところ24日のNY金の安値は2326.30ドルとなっている。下値はもう一段堅調指標が出て2300割れを試し、割れた場合は2285ドルどころとなるが、そこまで売り込まれることはないとみる。押し目買いが入るポイントに到達している。 急転直下の調整局面となったが、上昇トレンドの変化はない。

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