亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

本日のISM製造業景況指数要注目

2024年06月03日 20時33分37秒 | 金市場

先週のNY金は週足では僅かにプラスとなったものの、2350ドルを上回る水準では戻り売りが控え上値は重かった。週末5月31日の終値は2345.80ドルで週足は前週末比11.30ドル、0.48%の反発となった。

 

上値の重さは、31日発表の注目指標4月のコア個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)に加速が見られなかった(前年比2.8%の伸びで前月と同じ)にもかかわらず反応は限定的で、むしろ上げ一服となると反落してマイナス圏で取引を終えたことに象徴された。

前々週後半の大幅下落からの自律的反発が一巡した後に、新たな買い手掛かりが得られずモメンタムが失われたことで、さらにファンドのポジション整理の売りが進んでいることを思わせた。

あくまで相場の急落に反応した自律的反発であり、本格的反発にはいわいる日柄調整とともに有力な手掛かり材料の浮上待ちとなる。

 

先週は週を通し米長期金利が上昇傾向を維持し、ドル指数(DXY)も強含みに推移したこともNY金には逆風となった。

というのも米財務省は先週総額6000億ドルを超える国債入札を実施。大量供給に直面した債券市場では需給面の悪化が懸念され、入札結果も実際に芳しくなく10年債はじめ利回りは上昇した。いまのところ米債金利の上昇はゴールドの売り要因になっているが、今後財政赤字がさらに膨らみ発行量も増えるに従い、金市場の買い要因になるとみられるが、まだ先の話といえる。

 

今週は週末7日(金)に5月の米雇用統計が控え、その前には求人件数(JOLTS)ほか重要指標が並ぶイベント週。

前回4月雇用統計では前月比雇用者増加数が予想比下振れたことで、FRB利下げ観測にはプラスに働いた。

 

雇用統計に加え本日3日(月)発表のISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数に注目している。というのも5月23日に発表された米S&Pグローバルの5月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が54.4と、2022年4月以来の高水準となりNY金が大きく売られた経緯がある。

より広範囲なISMの指標で状況を確認することになる。

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