昨年末から2017年の春はヨーロッパが関心の中心といわれていたが、その時間帯に、いよいよ本格的に入ることになった。今月15日のオランダの下院選挙をプロローグとして、昨日29日の英国のEU離脱通知でいよいよ幕開けということに。
その英国の前に立ちはだかるのが、昨年6月の離脱を問う国民投票前にEU側と約束していた最大600億ユーロ(約7.2兆円)の分担金の支払い問題。こうなったからには、条件は変わったわけで支払う必要はないと英国。対してこの問題を放置したまま交渉には入れないというのがEU。“手切れ金”問題にシロクロつけることが交渉の大事なポイントというわけだ。他国への手前、英国に甘い顔は見せられない。
EU側の交渉窓口を欧州委員会とする話し合いが4月29日に行われた上で、5月中旬からスタートという時間軸の話につき、そもそも時間がかかる。英国の交渉相手は、“超国家の国際機関”であるだけに、なおさらだ。
ということで、その前に決着がつくフランス大統領選が、ここから1ヵ月余りの注目イベントかつ当面のメイン・イベントということになる。
その間に、米国では暫定予算が4月28日に期限を迎えることから、それまでに議会で延長を合意する必要がある。トランプ大統領は、メキシコ国境の壁建設の財源を盛り込みたい意向とされ、そうなれば民主党の反対は必至とされ、4月末に向けて米国政治がゴタゴタする可能性が高そうだ。最悪、予算切れで政府機関の一部閉鎖ということも。
そのトランプ政権、予想通り娘婿のジャレット・クシュナーの存在感が増してきた。2週間ほど前に娘イバンカがホワイト・ハウス西館に事務所を開くとの話があったが、本当らしい。前代未聞の政権になりつつある。閣僚の承認がまだすべて終わってないのも困ったもので、思想的に偏った人物を指名しているだけに、承認も受けにくいようだ。その下の政治任用の人事も滞っているようで。