この週末の23日日曜日の1次投票で過半数の得票を得る候補者がいない場合には、上位2候補による決選投票が5月7日に行われるフランス大統領選。
ここまで極右政党「国民戦線」党首のルペン候補に独立系のマクロン候補、中道右派のフィヨン候補の3者の戦いとみられていた。そこに、終盤になり支持率を急激に伸ばし割って入ったのが急進左翼政党左翼党のメランション候補。他の候補の票を食う形で、予測が非常に難しくなったとされている。直近の世論調査での支持率は、ルペン候補22.5%、フィヨン候補19.5%、マクロン候補24%、メランション候補18.5%となってる。
そもそも明確な支持母体を持たない独立系のマクロン氏が候補に選ばれたこと自体が、当初はサプライズとされたほどで、足元で同候補の優勢が伝えられているものの、何が起きても、ということのようだ。たしかに、支持母体を持たない=既存の流れとは一線を画し変化が期待できる、というのは、昨年来の注目地域での選挙の特徴でもある。しかし、支持母体を持たないことは、浮動票を集めているということで、も現実の得票率に結びつくか否かは不確定といえる。まして、今回の選挙は未だ30%の有権者が誰に入れるか決めていないと答えているとされるだけに、なおさらだ。
4候補の組合せの中で、市場の安定が期待できるのが、マクロン、フィヨン両氏の組合せ。その逆がともに反EUを標榜するルペン、メランション両氏の組合せで、こうなると市場はリスクオフ傾向を一気に強めることになりそうだ。金は一気に1300ドルを突破し、米大統領選投票日翌日につけた1338.40ドルを超えるだろう。
ここまでの支持率の推移や固定票などから、予想されているのがルペン、マクロンの組合せで、仮にこうなったとしても、ルペン候補の得票率が予想以上に高い場合には、市場は警戒するものと思われる。今回の選挙はいずれの候補者も意に沿わないということで、棄権する有権者も多いという見方もあり、投票率が下がることでコアな支持層を持つルペン候補の得票率が上がるとみられている。
日本時間、本日の早朝に伝えられたパリの中心シャンゼリゼ通りでの警官銃撃事件は、テロとオランド大統領が発表。言うまでもなく23日の投票を前に警戒が高まっている。週末にかけてフランス国内や欧州でのテロの発生は、移民受け入れに反対しているルペンに有利とされるだけに要注意ということになる。荒れそうな予感がする。どうなるか・・。