週明けの市場でもトランプ次期大統領の公約した経済政策への期待先行の流れは続き、その象徴例となる米長期金利(10年国債の利回り)の上昇が続いた。米長期金利は一時2.3%まで上昇したが、これは昨年12月にFRB(連邦準備理事会)が利上げに着手する前の水準でもある。結局今年の1月以来の2.224%で終了となった。金利の上昇は、国債売りの流れが続いていることを表す。
米金利の上昇は、金利差拡大から為替市場ではドル高となって表れる。14日の為替市場では、対ドルでユーロへの売り圧力が高まり年初来安値を更新し1ドル=1.0739ドルで終了となった。これは昨年12月3日以来の安値となるもの。主要通貨の中でもユーロの構成比率の高いドル指数(DXY)は急騰し、ついに100を突破し100.22で終了となった。こちらも2015年12月以来の水準。
このドル全面高の中で、金市場では売りが続きNY市場では6日続落という流れ。ちなみにユーロが対ドルで12月3日以来の安値としたが、この日はNYコメックスの金価格が直近の最安値1045.40ドルを記録した日でもある。この時は、6年ぶりの安値となる1050ドル割れということで、中国からの現物買いが殺到し下値を支えた経緯がある。ドル指数の水準は当時と同じだが、足元の金価格は1200ドル超を維持していることになる。
トランプ政策の先買いとはいえ、急伸相場が何かのイベントをきっかけに急な調整局面ということもあり得、特に欧州がらみではまずは12月4日のイタリアの国民投票がある。今夜の米小売もNY連銀指数も良く、勢いは米国にあるのでアベノミクスへの移行の初期段階に似たセンチメントゆえに、金は弱いが潜在するリスクを考えるとそのままホールドという投資家も多いようだ。
本日は、京都での勉強会でした。この街の賑わいは最近では季節を問わず破格ですね。