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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

雇用統計が暗示する悪しき流れ

2009年03月08日 23時45分00秒 | トピック
先週もいろいろあったが、やはり焦点は米国の雇用統計だった。各種データにたとえ改善は見られなくとも「悪化の減速」が見られないかと目を凝らし息を凝らす市場だが、これでもか!という結果が続いている。今に思えばV字だ、U字だ、否L字だと回復の展開が議論されていた1年前は、結局危機の程度を軽く見ていた点は否めない。個々の悪化が途中から相互に反応し合い自ら悪化のスピードを上げてしまい、俄か作りの対応策という防御ラインを次々突破されているイメージになってきた。それでも嵐はいつかは終わるんだが、処理のためのコストはドンドン膨らむ展開。長引けばそれぞれが国際協調よりも国内事情を優先する流れ(保護主義)に至るのが歴史の教えるところにつき、これが最も懸念される事態となる。

2月の雇用統計は、先行指標と位置付けられつつある給与計算サービスのADP社の民間雇用のデータや失業保険の申請件数などから、悪化は織り込み済みだったが、失業率が8.1%に跳ね上がったのは、やはり驚いた。元より“振れ”の大きい統計ではあるが、過去の数値の修正も現状を思い知らされる結果となった。2008年12月が68万1000人と59年ぶりの雇用の減少となり1月も65万5000人減に修正、2月の65万1000人の減少と過去最悪のテンポで進行中。このスピードが問題で、発足間もないオバマ政権に政策の見直しすら迫る可能性のある事態となっている。雇用悪化のニュースが消費者心理をさらに冷え込ませ、消費の手控えへ、企業業績に影響・・・・・と連鎖してゆく。今週は、米国の卸売や小売の統計、さらに貿易収支など消費関連のデータが出てくる。月次の米財政収支も見もの。

そういえば週末の金市場では、インドルピーの対ドルレートの急落によりインド国内金価格が史上最高値圏に高止まりしており(10グラム当たり1万6000ルピー)、換金売りからロンドンの指標価格に対しオンスあたり10~15ドルほどディスカウントで取引されていると伝えられていた。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
インド人が売るなら… (さとうにしき)
2009-03-09 18:58:11
ワタシは一寸、ひと休み…

( -_-)様子見……。
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きゃはは (帝京卒)
2009-03-10 00:49:03
なるほどね~。さとサンは迷いがなくて、基準もってていいなあ。プロのトレーダーだったりして?
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ワタシは (さとうにしき)
2009-03-10 07:21:06
プロのトレーダーとかじゃないですよ。しがない自動車用品関連会社の平社員ですよ。
(^o^;

ワタシは、インド人やペルシャ人の友達から金の話を聞く機会あったので、(業績の良かった)数年前から会社の上層部の方々に、社内の内部留保や未処分利益の類で金地金1トン買いを勧めたら、笑われてしまいましたけどね…。
法的に引っ掛かるのかな?それともやっぱり日本人には株式や他の投資のほうを好むのかなぁ……w
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