週明けは原油相場が市場横断的に影響を及ぼした。10日にウィーンで開かれたOPEC(石油輸出国機構)とロシアやメキシコなど非OPEC加盟国との話し合いで、非加盟国がOPECと協調して日量計55万8000万バレルの減産で合意。2001年以来15年ぶりの協調減産となることで、供給過剰状態の解消につながるとの期待から、NY時間外のアジア時間から原油が急騰。WTIは一時前日比で6%近い上昇で55ドルに接近。引けはさすがに売られたものの、それでも昨年7月以来の高値となる53ドル近い水準に落ち着いた。今夜も53ドル台で推移中。
原油の上昇は、トランプ財政への期待の中でインフレを思わせ、さらに米国債は売られることに。先週はいったんは落ち着いていた長期債利回りは、2014年9月以来の高水準となる2.53%と2.5%突破へ。こうなるとドルも連動し、ドル・インデックス(DXY)は11月30日以来2週間ぶりの高値に(101.69)。ただし、さすがにこの水準は維持できなかった。金は直近の安値を更新し1150ドル割れを試す局面があったものの、回避。それ以降は買い戻された。NYに入ってからは、ショート・カバーの戻り相場。
おそらく一両日は、こうした感じでFOMC(連邦公開市場委員会)の経済予測での金利見通し(ドッツ・チャート)とイエレン議長の記者会見待ちということになりそうだ。FOMCに関しては、原油価格も前回と居所を替え、株価もドルも長期金利も急騰した後だけに、現状と先行きの評価をどう表現するか。記者からは様々な質問が繰り出されそうだ。共和党右派がFRBを牽制する法案をまた準備中とされるだけに、イエレン議長はその辺りにも言及するのだろう。今回のFOMCにからんだ一連の流れに、ツイッターを通じたトランプ発言も市場の関心を集めることになりそうだ。
FOMCについては、新政権発足後の1月31日-2月1日お会合も注目となる。