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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

織り込まれつつある(?)GM問題

2005年12月23日 15時25分03秒 | 金融市場の話題
このところ金市場の動きに関心が高まっていたのでマクロの話しや金融関連のニュースについて触れる機会が減っていた。気になるニュースがいくつかあったが触れないまま来た。
米自動車大手GMの経営問題は折に触れ取り上げてきたが、今週はついに株価が20㌦を割れてきた。87年以来のことだという。10月までは、持ち株の買い増しに向かっていた大物投資家カーク・カーコリアン率いるトラシンダ社が先週GM株を1200万売却していたことも判明。売却の背景は、GMのボード・メンバー(役員)になろうとして失敗したこともあるが、むしろ経営危機の深まりにありそうだ。先週はS&P(スタンダード&プアーズ)がGMの長期債格付をさらに引下げシングルBとした。10月にBBからBBマイナスに変更したばかりだったが、コメントも破たんの可能性も否定できないというふうに変わってきた。ところで株価急落の材料には、工場閉鎖により生産数で世界一の座をトヨタに明け渡すことが上げられている。我慢していた株主が、このニュースをきっかけに見切売りに出たものだろう。今月の初めだったかな?GMのワゴナー会長がウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿し、後に日経などもその内容を紹介していたが、そもそもGMの車が売れないのは日本政府が為替を操作し不当にも円安にしていることにも原因があるとしていた。この記事を読んで、この人ではダメなんじゃないかと思ったのは、私ひとりではないだろう。そもそも大型車に傾注し、売れないと「9・11」以降に常態化していた安売り合戦に売り上げ数字を求めた。ガソリン価格高騰の折、消費者のコスト意識が高まり、小ぶりではあるが燃費のいい日本車がシェアを伸ばしていた時にである。

ただし、見方を変えなければならないのは、GM問題もこれだけ時間を掛けて進行すると市場の方は織り込みつつあるということ。社債も大どころの年金基金などは既に手放していることだろう。むしろ航空大手のように負債を一度チャラにして再生させようとの方針が固まりつつあるのかも知れない。つまり、仮に経営が行き詰っても金融市場に激震ということはなくなりそうだ。それでもシングルAの格付けの伝統ある優良企業でも、わずか4年ほどで、ここまで落ちるんだということが、「信用リスク」に対する関心を高めることになりそうだ。まぁこれもグローバル化のなかで企業が置かれた環境が厳しさを増しており、伝統のある大企業といえども、対応を誤るとたちまち足元をすくわれるという事例でもある。

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