飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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万葉アルバム 花、おもいぐさ(ナンバンキセル)

2011年03月14日 | 万葉アルバム(自然編)

道の辺(へ)の 尾花が下の 思ひ草
今さらさらに 何をか思はむ
   =巻10-2270 作者不詳=


道のほとりの尾花(ススキ)の陰の思い草ではないか。今さら何を思い迷うことがありましょうか。私はあなたの愛を信じ、あなた一人を頼りに思っております。という意味。

 「思ひ草」の名は、横向きのややうつむきかげんに咲く花を、もの思いにしずむ佳人のさまに見立てたものだと思う。ススキなどの根に寄生してひっそりと咲くこの花の生態から、人知れずひとりひそかに思い悩む女の姿が浮かぶようだ。万葉集で「思ひ草」が詠まれているのはこの1首だけである。

 「思ひ草」 南蛮煙管(ナンバンキセル) ハマウツボ科 ススキなどの根にはえる。花の形がその名の通りたばこのパイプつまり煙管の雁首にあたるところが花で別名を南蛮煙管(ナンバンキセル)とも呼ばれている。

 この万葉歌碑は名古屋の東山植物園の万葉の散歩道に立っている。(2010/12/24写す)




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