筑波嶺に そがひに見ゆる 葦穂山
悪しかるとがも さね見えなくに
=巻14-3391 作者未詳=
筑波山にソッポを向いた葦穂山みたいになったんだよな、あしき欠点が目立つわけでもなんだけど 。という意味。
これは筑波山で行われた歌垣に、彼女にふられた青年の心情を歌ったものか。筑波山は男体山と女体山がよりそうように見えるが、その北側にソッポを向いたように見える葦穂山(あしほやま)を失恋した男に見立てているようだ。
葦穂山(あしほやま)は筑波山の北、現在の足尾山。
新治台地の方から見ると、足尾山は筑波山の北側にそりかえるように葦の穂のような山容を見せ、それで「葦穂山」と書かれたようだ。
「そがひ(背向)」、後方・背後の意。
筑波山(左)、連なる北方に足尾山(右)、途中のくぼみが湯袋峠<クリックで拡大>
筑波山と比べて、足尾山は特徴もなく見栄えもいまいちなようである。
この万葉歌碑は、湯袋峠付近にある国民宿舎つくばね(石岡市小幡湯袋)の玄関脇に建っている。
国民宿舎つくばねの駐車場奥にある万葉の滝
万葉のイメージが湧きにくい?人工の滝だ。わざわざ見に来る程のものではないだろう。
国民宿舎つくばねがある湯袋峠付近は道路沿いにヤマフジがみごとに咲いているのがみられる。
ドライブするのに気持ちの良いコースだ。(2012/5/10)
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