飛鳥への旅

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万葉アルバム(奈良):奈良、元興寺

2009年04月25日 | 万葉アルバム(奈良)

白珠(しらたま)は人に知らえず知らずともよし
知らずともわれし知れらば知らずともよし
   =巻6-1018 元興寺の僧=


真珠は、その真の価値を人に知られない。しかし、世の人が知らなくてもよい。たとえ世の人が知らなくても、自分さえ知っていれば構わない。という意味。

この歌は、五七七・五七七という旋頭歌体。左注には、ある人が言うには「元興寺の僧は独り悟得して智恵も多かったが、それが世間に知られず、人々は侮り軽んじていた。それで、その僧はこの歌を作って自分の才能を嘆じた」ということだ、とある。真珠に託して、自分の真価を正当に評価されない嘆きを歌ったもの。

元興寺は、初め蘇我氏が飛鳥に法興寺という寺を建て、それが後に元興寺と呼ばれるようになり、さらに平城京遷都後に都に移された寺である。

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