橘(たちばな)の寺の長屋に我が率(ゐ)寝(ね)し
童女放髪(うなゐはなり)は髪上げつらむか
=巻16-3822 作者未詳=
橘寺の長屋に連れ込んで寝た、あのお下げ髪の少女は、もう今では髪上げして他の男と結婚しているだろうか。という意味。
明日香村の橘寺。「童女放髪」とは髪を伸ばしたままにしている、15歳くらいまでの少女をいう。
そんな娘をお寺に連れ込んで一夜を楽しんだという、ふらちな歌である。
橘寺は当時は尼寺だったそうで、なおさらだ。
しかし、ふらちな歌でも、どこか許されるのが万葉歌なのであろう。
庶民的な情景が浮かび親しみがわいてくるのは何故だろうか。
まだ当時の面影を残しているのでしょうか?
何故、こんな愚作が選ばれたのか理解できない・・・