筑波嶺の 岩もとどろに 落つる水
よにもたゆらに わが思はなくに
=巻14-3392 作者未詳=
筑波山から岩をとどろかして落ちてくる水のように、あなたを思う気持ちは絶えるなどとは思っていません。という意味。
「落つる水」、筑波嶺の女体山の西側に発する男女川か。
「よにも(世にも)」は、非常に・ことのほか、の意。「たゆら」は、揺れ動いて安定しないさまの意。
この万葉歌から影響を受けた歌として、小倉百人一首に採られた陽成院の名高い歌がある。
つくばねの 峰よりおつる みなの川
こひぞつもりて 淵となりける(後撰771)
筑波山を源流とする男女川
この万葉歌碑は茨城県つくば市のつくばテクノパーク大穂にある。
広い工業団地の中に万葉集20基、風土記の歌2基、古今和歌集3基、他に2基の、計27基の歌碑が点在している。
この歌碑はつくばテクノパーク大穂のセンター道路の工業団地脇に建てられている。
東の筑波
北の安蘇