飛鳥への旅

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中将姫伝説を訪ねて9:石光寺(奈良県葛城市)

2009年05月16日 | 中将姫伝説を訪ねて
中将姫が当麻曼茶羅を織りあげた際、材料となる蓮糸を染めたのが、ここ石光寺の井戸である。


石光寺は近鉄南大阪線「二上神社口駅」下車、徒歩13分。
奈良県当麻町にある石光寺(せっこうじ)は山号を慈雲山と号する浄土宗の寺院である。當麻寺の北、二上山を背景に位置し、牡丹で有名な寺で、通称、染寺と呼ばれている。天智天皇の時代670年頃、染野の地に、不思議な光を放つ大石があった。その場所を掘ると弥勒三尊の石像が現れ、役行者(えんのぎょうじゃ)が開山となり天皇の勅願により寺院を建立することになった。このとき、天皇が石光寺と名づけ、今に至っている。


境内
山門を入った正面に本堂、並びに弥勒堂、奥に入ると鐘突き堂などがある。本堂には本尊の阿弥陀如来が安置している。弥勒堂を平成3年に建て替えたとき、堂の下から白鳳時代の弥勒石仏が出土し、現在、弥勒堂に安置している。当時の本尊で日本最古の石仏である。他に瓦や仏像を型押した、せん仏が出土している。

染の井
中将姫(747~775)ゆかりの「染の井」と「糸掛桜」がある。右大臣藤原豊成(704~765)の娘、中将姫は17歳で出家、当麻寺にこもるうち霊感を得て蓮の茎を集め、糸を採り出した。そして石光寺の庭に井戸を掘り、糸を浸したところ五色に染まった。それが染の井で、傍らの桜の枝にかけたのが糸掛け桜。中将姫はその蓮糸で一夜のうちに当麻曼茶羅を織りあげたという。


牡丹
ボタンの花で有名な石光寺。境内には約500種類、3000株ものボタンが植えられ、初夏には百花爛漫のにぎわいを見せる。また、11月から1月ごろ咲く、ワラ帽子に包まれた寒ボタンも見もので、冬咲きのボタンはここだけのものという。二上山を背景に牡丹の咲き乱れる様は格別である。


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