我妹子(わぎもこ)や 我(あ)を忘らすな 石上(いそのかみ)
袖布留(そでふる)川の 絶えむと思へや
=巻12-3013 作者不詳=
私のことを忘れないでくださいね。布留川の流れが絶えないように…。という意味。
布留の高橋。そこを渡りつつ妻のもとへと急ぐ男の姿を詠んだ歌である。
万葉の布留の地名を今に残す場所に建つ石上神宮。すぐそばを“万葉の布留川”が流れる。竜王山を源に天理市内を横切り初瀬(大和)川へ。石上神宮辺りを境に下流はコンクリートで護岸され素っ気なくなったが、上流はまだ自然が残り、万葉人の歌ごころが伝わってくるところである。
この万葉歌碑は天理市役所の一角に立てられている。その脇にはおそらく布留川からの流水であろうか、水清く流れている。
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