(万葉植物園案内図:図をクリックすると拡大します)
袖ケ浦公園は、袖ケ浦市のほぼ中心に位置し、四季折々の花を観賞することができる市民の憩いの場となっている。大小2つの湖沼とこれを囲む丘陵地が大部分を占める水と緑あふれる公園で、下池周辺には、軽食も楽しめる花のテラスやわいわい広場、中央広場があり、上池には郷土博物館や万葉植物園などの施設が揃っている。
万葉植物園は郷土博物館の付帯施設で、万葉集に詠まれている約160種類の植物の中から、105種類を選んで栽培し、詠まれた歌の歌碑を設置している。万葉集には馬来田(まくた)に関する歌が2首選録されており、上総国望陀(まうだ)郡が万葉でいう「宇麻具多」だといわれている。現在の袖ヶ浦市・木更津市を流れる小櫃川流域で、今も望陀の地名が残っている。
万葉歌碑はこの馬来田の歌碑1基と万葉植物10基の合計11基設置されている。
園内は手入れが施されており、四季折々草花を楽しむことができそうだ。
万葉植物園全景
1.馬来田の嶺ろ
馬来田の 嶺ろの笹葉の 露霜の
濡れて我来なば 汝は恋ふばぞも (巻14-3382)作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
2.むろのき
鞆の浦の 磯のむろの木 見むごとに
相見し妹は 忘れえめやも (巻3-447)大伴旅人 →詳細は万葉アルバムへ
3.ほうのき
我が背子が 捧げて持てる ほほがしは
あたかも似るか 青き蓋 (巻19-4204)僧恵行 →詳細は万葉アルバムへ
4.やまぶき
山吹は 日に日に咲きぬ うるはしと
我が思ふ君は しくしく思ほゆ (巻17-3974)大伴池主 →詳細は万葉アルバムへ
5.まつ
岩代の 浜松が枝を 引き結び
ま幸くあらば また帰り見む (巻2-141)有間皇子 →詳細は万葉アルバムへ
6.もも
春の園 紅にほふ 桃の花
下照る道に 出で立つ少女 (巻19-4139)大伴家持 →詳細は万葉アルバムへ
7.まゆみ
南淵の 細川山に 立つ檀
弓束巻くまで 人に知らえじ (巻7-1330)作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
8.にわとこ
君が行き 日長くなりぬ 山たづの
迎へを行かむ 待つには待たじ (巻2-90)衣通王 →詳細は万葉アルバムへ
9.ふじ
藤波の 花は盛りに なりにけり
奈良の都を 思ほすや君 (巻3-330)大伴家持 →詳細は万葉アルバムへ
10.しだれやなぎ
浅緑 染め懸けたりと 見るまでに
春の柳は 萌えにけるかも (巻10-1847)作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
11.ゆずりは
いにしへに 恋ふる鳥かも 弓弦葉の
御井の上より 鳴き渡り行く (巻2-111)弓削皇子 →詳細は万葉アルバムへ