モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

終日晴天、鳥海山山頂まで。後編(2021年9月20日)

2021年10月03日 | 鳥海山/祓川

(本頁は「終日晴天、鳥海山山頂まで。前編」の続きです。)

康新道の素晴らしい点はその眺めだ。
鳥海山本体北面の馬蹄形カルデラ、東側外輪山の稜線を歩くので特に西側の眺めが最高だと思う。
その主役は支峰の稲倉岳(1554m)。

稲倉岳など対岸のカルデラ壁の眺め




御浜方面を眺める。




稲倉岳




稲倉岳。ちょっと高度を上げたところから。
カルデラ内部の森も少し色付いて来た。




鳥海山は下界から望むと優美な裾野をもつ独立峰のイメージだが、康新道から望むそれはかなり様相が異なっている。

下写真をご覧の通り、峩々たる山容でおまけに双耳峰、ツートップで迫って来る。
こんな険しい山に登れるものだろうかと一瞬、怯んでしまうが、左から稜線沿いに廻ればいつの間にか七高山山頂にたどり着く。
新山は正面からはとても無理なので七高山経由で裏側から登ることになる。

鳥海山の2トップ(左・七高山、右・新山)



鳥海山の2トップ(左・七高山、右・新山)。ちょっと高度を上げたところから。



縦構図の2トップ                               途中に有ったモアイ像のような岩
   



カルデラ壁には奇麗な草紅葉がへばりついている。

その正体は黄色がチョウカイフスマ、赤がホソバイワベンケイだった。

断崖の上の草紅葉



チョウカイフスマの草紅葉



ホソバイワベンケイの草紅葉                        チョウカイフスマとホソバイワベンケイの草紅葉
 



断崖の上の草紅葉



鳥海山頂部は樹木紅葉がさっぱり無く、草紅葉ばかりだった。

七高山山頂はもうすぐ。
今回、このルートで唯一残っていたお花畑はここに有った。この場所、実は一番の難所だった。

難所のお花畑                                      ヤマハハコ

 


登るにつれ、直下のカルデラ内も見えるようになる。
ここから滑落したらタイヘンだろうね。あまり右ヘリに寄らないで歩いた方がいいと思う。




山頂に着く直前、西の笙ヶ岳方面がちらりと見えた。山頂からは新山の陰になり見えない。




七高山の登りはあまりの険しさに何度も挫折しそうになったが、
交叉する若い登山者の「あともう少しですよ」の声に励まされ、
11時過ぎ、ナントカ山頂に到着した。
結局、祓川の出発から五時間近くもかかってしまった。
これは年齢による脚力の衰えもあるが、既に600枚超の写真を撮影しながらなので、まあよしとしよう。
山頂で新山とまたご対面。向こうの山頂には登山者の姿も見えたが、私はもうタクサン。見るだけにしておく。

新山



新山南側の外輪山と残雪



新山山頂の登山者                                
七高山山頂のイワギキョウ
 



写真は略すが、山頂ではイワギキョウがまだいっぱい咲き残っていた。
鳥海山山頂部の最終ランナーはこの花のようだ。

七高山山頂からの遠くの眺めを列記する。
今回、飯豊連峰まで見えたのは驚いた。
私が登る時、鳥海山は晴れが多いのだが、遠くの山々がこんなによく見えたのは初めてかもしれない。
いつもの晴れでは、昼頃の山頂は湧き雲が次々と襲い掛かり、見えるものは限られてしまう。

月山




朝日連峰。右奥に飯豊連峰も見えた。




東側、百宅側の斜面



法体滝                                      
参考までに以前近くから見た法体滝
 



栗駒山



虎毛山、手前に甑山




偶々、今日登っていた友人の話では岩木山や早池峰山も見えていたとのこと。

となると今日は東北の主だった山のほとんどが見えていたことになる。

七高山山頂での大展望を満喫した後はいよいよ下山だ。
帰りはしんどい康新道ではなく、氷の薬師を通る標準コースを使ってみた。
このコース、以前は夏に何度か使ったが、雪渓を滑ってあっという間なのであまり難儀した記憶は無い。
雪渓の無い秋に下るのは今回が初めてかもしれない。
鉄梯子のある舎利坂の下りはあいかわらずスリル満点。落石が怖い。それが終わるとよく整備された石ころ道に変身。

七高山山頂直下の舎利坂                                石ころ道
 


康新道とはえらい違いだが、雪の無い時期の降下はけっこう長く感じた。




また康新道のような豪快な山岳展望は皆無。雪渓跡地をひたすらテクテク下るだけ。

途中、思わぬ花に遭遇した。ヒメクワガタだ。
この花、植物に詳しい友人がもしかしたら絶滅したかもしれないと言っていたが、ちゃんと咲いていた。

しかし滝の小屋コースのような大群生ではなく、パラパラ数株見つけたのみ。
地味すぎるのでたぶん友人も見過したんだろう。


ヒメクワガタ                                      氷の薬師
 



氷の薬師とは意外にもこんな場所だった(夏場は雪渓で埋まっていて気づかなかった)。



以上。


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