モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

高嶺のすみれは黄色がお好き。

2022年01月21日 | 高山植物

(冬場は山には行きません。夏場の回想記事が主体となります。
その一環で「高山植物」のカテゴリーを創設、山の花について語って行きます。今回はその十編目です。)

東北にはスミレがとても豊富な山がある。それは秋田駒ヶ岳だ。

この山の花はコマクサが有名で、私もそれを見るために若い頃から何度も登っていたが、
スミレの花を見た記憶はほとんど無かった。

スミレの存在を知ったのは約25年前。
いがりまさし氏の著作、山渓ハンディ図鑑6「日本のスミレ」に

タカネスミレが一面に咲く素晴らしい花風景が紹介されていた。
何故、その時まで知らなかったのか。
それは駒ヶ岳に登るのはいつも七月以降だったから。
その頃には
タカネスミレの花はほぼ終わっている。
登山を再開したばかりの2015年、
この花を見ることを第一目的に、六月中に秋田駒ヶ岳へ向かってみた。

2015/06/21 タカネスミレの群生。秋田駒ヶ岳大焼砂にて。



2015/06/21 タカネスミレの群生。秋田駒ヶ岳大焼砂にて。



2015/06/21 タカネスミレの群生。秋田駒ヶ岳大焼砂にて。



タカネスミレはその後、訪ねた岩手山にも多かったが、秋田駒のような群生ではなかった。

2018/07/02 タカネスミレ。岩手山山頂部にて。                    2018/07/02 岩手山中腹にて。
 



2021/09/01 タカネスミレの秋姿。秋田駒ヶ岳焼森にて。コマクサも混生。



2015/06/21 タカネスミレとコマクサの混生エリア。秋田駒ヶ岳大焼砂にて。



秋田駒ヶ岳ではタカネスミレとキバナノコマノツメの生育地も隣接していた。

2021/06/17 上の方にキバナノコマノツメ、下の裸地にタカネスミレ。



タカネスミレはコマクサ同様、火山礫裸地へのパイオニア植物だが、

キバナノコマノツメは他の草や矮性低木に有る程度覆われた風衝地や雪渓跡に生育する傾向が有った。
秋田駒ヶ岳では広範囲に生育するので、量的にはキバナノコマノツメの方が多いと思う。
場所によっては黄色の絨毯になるほど密生していた。

2021/06/17 キバナノコマノツメの群生。秋田駒ヶ岳阿弥陀池付近にて。



2015/06/21 キバナノコマノツメをアップで。秋田駒ヶ岳にて。



他の山のキバナノコマノツメ。
                   
2018/06/16 笊森山にて。                         2017/06/29 早池峰山にて。
 



2021/06/30 キバナノコマノツメ。月山にて。



オオバキスミレは低山に多い種類で、ふつうは高山植物とはみなされないが、

一部の山では1500mを超える高所にも現れていた。
雪渓と笹藪が接するような場所に群生する傾向があった。

2015/06/21 オオバキスミレ。秋田駒ヶ岳にて。



2018/06/16 オオバキスミレ。笊森山にて。




東北の高山のスミレはご覧の通り、黄色ばかりだ。

黄色以外のスミレを少し探してみた。

ミヤマツボスミレは鳥海山では登山道の石畳の隙間などに多い。
その他の場所、例えばキバナノコマノツメがよく生えているような草地などには進出しないのは不思議だ。

2020/07/30 ミヤマツボスミレ。鳥海山にて。



こちらは名前がわからないスミレだった。
スミレに詳しい友人からツルタチツボスミレではないかと教えていただく。

2016/07/02 ツルタチツボスミレ。鳥海山にて。



ウスバスミレは小さな白花のスミレ。奥羽山系の亜高山帯、針葉樹の林床でよく見かけた。

2021/06/07 ウスバスミレ。三ツ石山にて。



ミヤマスミレは高山では貴重な紫色のスミレ。
しかし「ミヤマ」を冠する癖に高山帯ではほとんど見かけない。亜高山帯やその下、山地帯に多い印象だ。

2021/06/07 ミヤマスミレ。三ツ石山にて。



ムシトリスミレはスミレのような紫花を咲かせるが、スミレ科ではなく、縁もゆかりも無いタヌキモ科の食虫植物。
したがってここに載せるのは場違いかもしれないが、スミレ繋がりでどうかご容赦頂きたい。

東北各所のムシトリスミレ。

2017/07/20 早池峰山にて。                     20180714 八幡平大深湿原にて。
 



2018/06/16 ムシトリスミレ。笊森山にて。




2018/06/16 ムシトリスミレ。笊森山にて。




2017/07/10 ムシトリスミレ。秋田駒ヶ岳にて。



2017/07/10 薄色の株。秋田駒ヶ岳にて。
 



2021/06/25 ムシトリスミレ。栗駒山にて。



ムシトリスミレは高山ならばどこにでもあるものと思っていたが、
不思議と日本海側の鳥海山や月山では見た記憶がない。

量的には八幡平から乳頭山、秋田駒ヶ岳までが豊富な印象だ。
イワウメしか生えないような岩場の隙間や雪渓跡地の湿原などにも進出していた。


以上。


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2 コメント

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高山植物 (kimama)
2022-01-21 17:24:10
初めましてkimamaといいます
ブログ(日々気ままに暮らしてみれば)
私は高所恐怖症です
でもなぜか山が好きです
登るのが好きですが、下山がダメなのです
もう山に行くことはないと思ってましたが
思わぬブログで楽しみを見つけました
高山の花など見ることはないですし
可愛いしいい色!
これからも よろしくです
返信する
kimamaさんへ。 (モウズイカ)
2022-01-21 19:16:54
コメントありがとうございます。
私も高所恐怖症で高齢足弱ですが、
花と絶景見たさで山歩きしてます。
私の住む秋田は北国なので、(関東中部に較べると)
低い山でも高山植物が見られます。
今は雪やコロナでどこにも行けませんが、
脳内(ブログ)で花を愉しんでます。
このシリーズ、少し間をおいて再開しますので、
引き続きよろしくお願いいたします。
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