ライトノベルみたいな副題を付けてしまった。
でも、ここで伝えたいこの番組の魅力はそこに凝縮されている。
放送大学でやっている「錯覚の科学」というプログラムが面白いのである。
主任講師は菊池聡さん(信州大学教授)。
認知心理学がご専門とのこと。
この番組にはハッとさせられる瞬間が沢山ある。
例えば、左右の両手それぞれで人差し指だけを上に立てて、顔の前にもってきて欲しい。
それで右手だけ前方にめいっぱい伸ばし、もう左手は肘を曲げて顔の前に。
つまり、恋ダンスのポーズ。
この状態で、両指の長さを比べてほしい。
どうなっている?
はい、普通に右手の人差し指が短く見えるはずだ。
遠近法だから。
では、両手の間隔をそのまま左右にちょっとだけ開いて。
両方視界に入るギリギリまで。
それで、もう一度、2本の指の長さを比べて。
距離で言えば、左指が顔に近い。
だから、本来ならさっきと同じように右手の人差し指が短く見えるはずなのだが、そうはなっていないはずだ。
どうなっている?
限りなく同じ長さに見えているのではないか。
その理由は、人間が脳内で指の長さの認識を補正しているからだという。
人間(ある程度生きてきた人間)は、指の長さを経験的に学び、よく知っている。
遠くにあっても、どれくらいなのか知っている。
だから、遠くに見えた時にも、近くで見た時の記憶がその映像を補正して認識している。
2本の指が近い時は、両方を比較するので、遠近法の認識が強まり、長さの差が認識されるが、
2本の指が遠い時は、長さの差が認識できなくなる、という。
つまり、光の反射から見えてくる映像と、
記憶によって構成されている映像が、
人間の脳内では、常にミックスされ、編集されていることが分かる。
この構造はややこしいので、もう少し詳しく考えてみよう。
まず、人間は物体を「距離」という物差しで認識しようとする。
小さく見えたら遠くにある。これは遠近法。
ところが、遠くにあると認識すると、
「遠くにあるから小さく見えるけど、本当はもっと大きい。なぜなら、以前に近く見たら大きかったから。」という補正が働く。
本当はもっと大きいという記憶の認識が、脳内で映し出されている映像を補正して、少し大きく認識させるのである。
小さく見える=遠い → 記憶の補正 → 本当は大きい=大きく補正
ということなのだ。これを無意識に瞬間的にやっているのだ。
怖い!!怖いよ!!
僕が見ている世界は「本当の世界」なの?
完全に『ソフィーの世界』だ!
あの本に出会った結果、僕は社会科学の研究で身を立てることになったわけだが、
それを認知心理学で考え直したら、またあの時のゾワゾワ感が!!
先生!!!!
でも、ここで伝えたいこの番組の魅力はそこに凝縮されている。
放送大学でやっている「錯覚の科学」というプログラムが面白いのである。
主任講師は菊池聡さん(信州大学教授)。
認知心理学がご専門とのこと。
この番組にはハッとさせられる瞬間が沢山ある。
例えば、左右の両手それぞれで人差し指だけを上に立てて、顔の前にもってきて欲しい。
それで右手だけ前方にめいっぱい伸ばし、もう左手は肘を曲げて顔の前に。
つまり、恋ダンスのポーズ。
この状態で、両指の長さを比べてほしい。
どうなっている?
はい、普通に右手の人差し指が短く見えるはずだ。
遠近法だから。
では、両手の間隔をそのまま左右にちょっとだけ開いて。
両方視界に入るギリギリまで。
それで、もう一度、2本の指の長さを比べて。
距離で言えば、左指が顔に近い。
だから、本来ならさっきと同じように右手の人差し指が短く見えるはずなのだが、そうはなっていないはずだ。
どうなっている?
限りなく同じ長さに見えているのではないか。
その理由は、人間が脳内で指の長さの認識を補正しているからだという。
人間(ある程度生きてきた人間)は、指の長さを経験的に学び、よく知っている。
遠くにあっても、どれくらいなのか知っている。
だから、遠くに見えた時にも、近くで見た時の記憶がその映像を補正して認識している。
2本の指が近い時は、両方を比較するので、遠近法の認識が強まり、長さの差が認識されるが、
2本の指が遠い時は、長さの差が認識できなくなる、という。
つまり、光の反射から見えてくる映像と、
記憶によって構成されている映像が、
人間の脳内では、常にミックスされ、編集されていることが分かる。
この構造はややこしいので、もう少し詳しく考えてみよう。
まず、人間は物体を「距離」という物差しで認識しようとする。
小さく見えたら遠くにある。これは遠近法。
ところが、遠くにあると認識すると、
「遠くにあるから小さく見えるけど、本当はもっと大きい。なぜなら、以前に近く見たら大きかったから。」という補正が働く。
本当はもっと大きいという記憶の認識が、脳内で映し出されている映像を補正して、少し大きく認識させるのである。
小さく見える=遠い → 記憶の補正 → 本当は大きい=大きく補正
ということなのだ。これを無意識に瞬間的にやっているのだ。
怖い!!怖いよ!!
僕が見ている世界は「本当の世界」なの?
完全に『ソフィーの世界』だ!
あの本に出会った結果、僕は社会科学の研究で身を立てることになったわけだが、
それを認知心理学で考え直したら、またあの時のゾワゾワ感が!!
先生!!!!