それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

「ざっくりハイタッチ」鬼越トマホークが非常に面白かった件

2014-11-16 17:58:17 | テレビとラジオ
テレビ東京の「ざっくりハイタッチ」は、一癖ある深夜のお笑い番組である。

テレ東特有の低予算ながら、一工夫された企画は実験的だが、しかし当たると本当に面白い。

先日は、鬼越トマホークという吉本の5年目の芸人が登場した。

鬼越トマホークは、正統派の漫才を繰り出すコンビだが、ボケとツッコミがともに巨体でいかつい、強面の男性である。

両者はしばしば場所を選ばず派手なケンカするため、様々な先輩が止めに入ってきた。

ところが、そこで鬼越トマホークのボケの坂井(スキンヘッドの方)が、わざわざ止めてくれた先輩に対して、芸に関する的確な批判をして言い返してきた、という。

上下関係に厳しい吉本で、先輩に批判を言い返すなどと言うことは前代未聞だそうだ。

そんなとんでもない事態が実際に何度も起きてきたわけだが、しかし批判があまりにも的を得ているということで、それを番組の企画としたのである。

すなわち、ふたりがケンカをして、それを誰か先輩が行って止める。そして、坂井氏に批判される。というクダリを繰り返すのである。



鬼越トマホークの強面加減は、当初のサンドウィッチマンのやくざな雰囲気よりも、はるかに高いレベルの強面である。

街で見かけたくないレベルである。

体も恐ろしいほど、がっちりしている。

しかし、ボケもツッコミも本当に面白い。

単なるギャップでウケるのではなく、本当にボケの切れ味もツッコミの切れ味も鋭い。

当初の企画趣旨は、先輩に(的確な)ダメだしをする恐るべき後輩、ということだったのだろうが、徐々に、何度も繰り返される鬼越トマホークのケンカそれ自体が非常に面白くなっていった。

偶然面白くなったのではなく、確実に鬼越トマホークが面白くしていた。



わざわざ、それをここに書いた理由はもうひとつあって、それは鬼越トマホークの坂井氏が小藪に放った一言、「スカパーだけやってろ!」が、私のツボに入ったからである。

小藪一豊がMCをやっている「バズーカ」(BSスカパー)という番組は、かなり大人向けの番組で、あまり人に勧められるものではないのだが、しかし、本当に面白い。

というよりも、あの番組は小藪一豊の良さが最も生きている番組だと私は思っている。

バズーカには、扱いが難しいアウトローな人々が度々登場する。緊張感のある場面も少なくない。

小藪はそれを見事に裁いていく。いつ見ても関心、感嘆してしまうのである。

彼の人間力、話術の力。恐れ入ってしまう。

鬼越トマホークの坂井氏が同じ見解かどうかは分からないのだが、しかし、本当に小藪にはバズーカを長く続けてもらいたいと言う気持ちが私にもあり、あの指摘は全く見事だったなあと思ったのである。



鬼越トマホークは、これから一気に来るのだろうか。

地上波向きなのかどうか、私には分からない。

しかし、面白い。

これからの更なる活躍が期待される、と一視聴者として思った。