「女性自身」2023年11月28日・12月5日合併号
三菱UFJ銀行は11月6日から、定期預金金利を引き上げました。金利は5~6年ものが0.07%、7~9年は0.1%、10年は0.1%です。10年ものの引き上げは実に12年ぶりで、0.002%から100倍もの急上昇です。
金利はいま、世界的に上昇傾向です。ただ、日本は依然として金融緩和を継続中。ですが日本銀行は、長期金利の「0%目標」は変えないものの、金利の上昇幅については0.25%から0.5%、そして10月31日には1%を一定程度超えることを容認しました。
いま長期金利は0.9%前後で、夏ごろから上昇傾向です。「今後も上がるのでは」という雰囲気が広がれば、「金利が低いうちに資金を調達したい」という借り手が増えるのではないか。三菱UFJ銀行はそれを見込んで、これまでの超低金利を脱却し「定期預金金利を上げ、貸し出し用の資金を集める」戦略にかじを切ったのです。
金利上昇の動きは徐々に広まるようです。三井住友銀行は、時期は未定ですが三菱UFJ銀行と同様、金利を0.2%に引き上げることを決めました。みずほ銀行も検討中と伝えられています。
また、地域の中小企業と結びつきが強い地方銀行などは、企業の資金調達に備えるため、金利を上げる可能性があると思います。さらに「大手銀行より高金利」を武器に集客するネット銀行が、もっと金利を上げるかもしれません。
■お金を借りる人には厳しい風向きに
生命保険会社にも波及しています。住友生命は11月1日から一時払い終身保険の予定利率を0.9%から1%に、2カ月連続で引き上げました。明治安田生命も12月1日以降の契約から、学資保険の予定利率を6年ぶりに、0.75%から1.3%に上げると決めています。
金利上昇は、お金を預ける方には朗報です。定期預金は、銀行が破綻しても元本1千万円とその利息までは保護されます。満期前の解約でも、利息は減っても元本が減ることはありません。100万円を1年預けたときの利息は、0.002%だとわずか20円でしたが、0.2%だと2千円です(税引き前)。
投資ブームですが、絶対に減らしたくないお金は定期預金が安心。投資の仕組みがよくわからない方には、定期預金がおすすめです。
いっぽう、お金を借りる方には厳しい局面です。特に変動金利型の住宅ローンには注意が必要です。
変動金利型は半年ごとに金利を見直しますが、返済額は5年間変わりません。金利が上がると6年目、11年目などに額が増えます。
また、返済額が急に増えると大変なので、引き上げは25%までがルールです。すると、金利上昇で総返済額は膨らむのに実際の返済額は抑えられ、35年ローンを35年間では返しきれないことも。
変動金利型を利用している方は固定金利型への借り換えや、早く繰り上げ返済を行って元本を減らすなどの対策が必要です。預金と借金の両面で、金利上昇から受ける影響を考えてください。
ようやくアベノミクスがガタガタと崩れ始めたという感じでしょうか?
昼過ぎから雪が降ってきまして、今は吹雪状態です。