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政治考 野党共闘

2021年11月07日 | 社会・経済

立民議員“本気かどうかが分岐”

「しんぶん赤旗」2021年11月7日

自民議員「安心していられない」

 日本共産党や立憲民主党など野党が共通政策、政権協力、選挙協力の「3点セット」で政権交代を迫った総選挙(10月31日投開票)。自民党が絶対安定多数を維持し、自公政権を継続させる結果となったものの、最初のチャレンジとして大きな歴史的意義を残しました。

 ところが、一部メディアなどからは「共闘不発」「共闘は失敗」などの“共闘つぶし”ともいえる報道や発言が相次いでいます。

 これに対し野党共闘と対峙(たいじ)した当の自民党議員はどうみているのか。当選した一人は「結果は絶対安定多数だが、最終盤の情勢は、調査の数字も含め非常に厳しかった。陣営は引き締まり乾いた雑巾を振り絞るような活動をやって競り勝った」と指摘。「100近い激戦区は僅差で、どちらが勝ってもおかしくなかった。苦戦を勝ち切ってよかったが、野党候補の一本化は一定の効果があったし苦しめられた。選挙のルール上は勝ちだが、実際の数字で言えば安心していられない。万歳というより疲れた」と語ります。

 別の議員も「野党候補一本化の効果は間違いなく出た。来年の参院選に向け、共闘で激戦になったところは今回の共闘を生かして向かってくる。自民党はかなり受け身になる」と表情を硬くします。

やり切ったか

 「共闘があったからこそここまで(62小選挙区)勝てた。『共闘失敗』など、冗談もいいかげんにしてほしい」

 こう語るのは、東京5区で野党共闘候補として自民党の若宮健嗣万博相に競り勝った手塚仁雄立憲民主党東京都連幹事長です。手塚氏は「共闘がなければ、立民は惨敗、自民党は300という結果になっていた」と指摘。「全体は十分とは言えないが、東京での小選挙区での勝利は17年の4から8に前進した。そのうち七つはしっかりした共闘体制が力を発揮した。比例復活の4人もすべてしっかり共闘し、惜敗率で上位に入ったひとたちだ」と語ります。

 自民前職との競り合いを制し、東京9区で統一候補として初当選を果たした山岸一生氏(立民)は「野党共闘には大きな成果があった。勝負の分かれ目は、共闘の良しあしではなく『本気の共闘』をやり切ったかどうかではないか」と指摘。「東京9区では、多くの市民の方がともに声を上げてくれた。特に最終盤、野党の本気の共闘のエネルギーが、有権者に響いたと感じている。もし、周囲に配慮するあまり『半身の共闘』だったら、途中で足が止まったのではないか」と語ります。

新しい財産に

 日本共産党の志位和夫委員長は、選挙結果を受けての1日の記者会見で、共闘の歴史的意義、地域で広がった連帯の絆という新しい財産にふれつつ、「野党が力をあわせて、共通政策、政権協力の合意という共闘の大義・共闘の魅力をさまざまな攻撃を打ち破って、広い国民に伝えきるという点で、十分とは言えなかった」「共闘の大義、魅力を伝えきれなかったことが、維新の会という自公の補完勢力の伸長という事態を招いた一因にもなりました」とのべました。

 共闘の成果と課題を刻んで来年の参院選に向けて、歩みだすときです。

違いも一致点も、しっかり語る

誠意が共闘を育てる

 「ずっと見ていた」―選挙中、市民からこう話しかけられたという東京8区の吉田晴美氏(立民)。石原伸晃元自民党幹事長を破り注目されました。

 「6年間の市民の皆さんの共闘の積み上げの中で期待をいただいた。市民の皆さんの力が発揮されたし、共産党の皆さんとも人と人とのつながりを大切に、しっかり連携できた。私も野党統一候補としてたたかい抜いた」と振り返ります。

 東京8区の投票率は61%で東京ではトップ。理不尽な安倍・菅自公政治を変えようと、吉田氏は「杉並区から永田町にメッセージを発しよう」と訴え。「有権者が行動を起こした」と語ります。

 総選挙では全国62の小選挙区で野党統一候補が自公候補を打ち破りました。野党共闘により、甘利明幹事長が現職幹事長として初めて小選挙区で敗退したほか、石原伸晃元幹事長が落選するなど与党有力者を相次いで打ち破りました。

 野党共闘が接戦に持ち込んだ選挙区も多数。惜敗率でみると90%以上の選挙区は33、80%以上は54選挙区にのぼります。「激戦報道」を裏付ける結果です。

 他方、これら接戦区で、無党派層が各地で自民党の補完勢力である日本維新の会に流れたことも、各地の出口調査などから明らかになっています。

競り合いで…

 野党共闘が、多くの選挙区で自公候補を追い詰めながら、最後の競り合いに勝ちきれなかったのはどうしてなのか。

 立民関係者の一人は「これだけの接戦を生み出し、追い詰めたことは一つの成果だし確信にするべきだ」とする一方、「執行部は、共闘について説明することから逃げた。これでは有権者には伝わらない」と振り返ります。

 別の立民議員の一人は「共闘したから維新に票が逃げたというのはない、逆だ。共闘に十分共感を得られなかったところで、維新に票をさらわれている」と語ります。

 自民党議員の一人は「一本化構造をつくったところまではよかったが、共闘の中身が伝わっていなかった。自民党はそこをバンバン“野合だ”と批判した」とします。

 「安保関連法に反対するママの会」の高岡直子さんは、「共産党は選挙中、繰り返し共通政策や政権合意の話をしていたけれど、共産党が語っているだけでは無党派層には響かない。例えば動画で参院選に向けて、党首同士で共通政策について一つ一つ説明する」と提案。「違いもきちんと見せながら、互いに尊重しあって、一致点の中身をしっかり示すというのは、とてもいいと思う」と語ります。

 あるメディア関係者は「党首同士で、『ここは共通だが、ここは立場が違うんです』と並んで話せばよかった。そうすれば保守派もリベラルも納得する。これが共闘の強みのはずだ」と強調します。

「信頼を実感」

 東京で比例復活の一人、鈴木庸介氏(東京10区、立民)は「野党共闘が失敗だという人たちは、共闘をやめさせたい人たちだ」と指摘。「共闘の浸透が課題だ」と話します。「選挙中、街頭で『頼まれているから』という人とたくさん出会った。共産党の地元区議の方たちが電話かけしてくれているとわかり、その誠意に感動した。ブレずに、駆け引きでなく誠意をもって共闘に取り組む、信頼できるパートナーだと実感した瞬間だった」と振り返ります。

 東京8区で吉田晴美氏を押し上げた「8区の会」事務局の安彦隆さんは「市民一人一人が自主性を持ち、独自の共通政策をれいわ、共産、立民の各候補と合意するなど、独自の勉強会も重ねてきた」と強調します。

 そのうえで「共産党がさまざまな課題をのりこえて本気になってやってくれた。原田あきら都議の力も大きかった。市民個人として頑張っている人もいるけれど、共産党が本気になってやってくれなければ、接戦となって競り負けていたかもしれないと思うくらい、共産党の人たちは頑張ったと思う」と語りました。

 (田中智己、中祖寅一)


 いろんな意見があると思いますが、これは大事な点をついています。ご参考までにどうぞ…